上野優子「プロコフィエフ・ソナタ全曲シリーズ」第5回が開催
2017年にスタートした「プロコフィエフ・ソナタ全曲シリーズ(全6回)~プロコフィエフにはどのピアノがお似合い?~」の第5回「ベヒシュタイン」公演が開催される。
このシリーズは、世界有数のピアノメーカー、スタインウェイ・ファツィオリ・ヤマハ・カワイ・ベヒシュタイン・ベーゼンドルファーの名器を順に使用しながら、ピアノの響きの違いを楽しみつつ、演奏曲目も各メーカーに合う作品をピックアップして披露するという意欲的なコンサートだ。その中心にあるのはもちろん、本シリーズの柱であるプロコフィエフ(1891-1953)。激動の20世紀という時代に翻弄されたロシアの作曲家プロコフィエフが、生涯にわたって書き続けたピアノ・ソナタの歴史を、世界6大ピアノでたどる旅路が魅力的だ。
5回目となる今回のテーマは「死と復活」。メインに置かれたプロコフィエフのピアノ・ソナタ第8番「戦争ソナタ」にカップリングされるプログラムは、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番に、リストの「詩的で宗教的な調べ」から「死者の追憶」「愛の賛歌」。そしてウクライナ・ハルキウ出身の作曲家ボルトキエヴィチ(1877-1952)の「カプリッチョ 嬰へ短調 Op.3-1」と、「前奏曲 嬰へ長調 Op.33-7」という意欲的なものだ。今の世界情勢にも重なるこの重厚なプログラムとベヒシュタイン・コンサートD-282 の響きのコラボレーションやいかに。
公演日の4月23日(水)は、プロコフィエフの誕生日にあたるだけに、祈り、葛藤、そして勝利へと展開する各作品の精神が、更に心に響くに違いない。
上野優子ピアノリサイタル
プロコフィエフ・ソナタ全曲シリーズ第5回
4月23日(水)19:00開演
すみだトリフォニーホール 小ホール
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2441486(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2441486&afid=P66)
【曲目】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
リスト:詩的で宗教的な調べS.173/R.14 A158より死者の追憶、愛の賛歌
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番「戦争ソナタ」変ロ長調 Op.84
上野優子(ピアノ)
桐朋女子高校音楽科、イモラ国際ピアノアカデミー(伊)、パリ・エコールノルマル音楽院コンサーティスト課程をそれぞれ卒業。浜松国際ピアノアカデミーコンクール、フンメル国際ピアノコンクール他入賞多数。スロヴァキアフィルハーモニー管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団などオーケストラ共演も多数。またイタリア国営テレビRAI3、スロヴァキアFM、NHK-FMなどに出演。国内外での活躍ぶり、特にプロコフィエフの演奏が音楽専門誌、新聞など各メディアで高く評価されている。
現在、国内外での演奏活動の他、国内外でのコンクール審査、執筆、レクチャー等、多岐にわたる活動を展開。5枚のCDをリリース、「レコード芸術」「音楽現代」「ムジカノーヴァ」「stereo」各誌で高い評価を得ている。
全音楽譜出版社より3冊の楽譜を編著。第42回ピティナ・ピアノコンペティション特別指導者賞、第24回・第25回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA指導者賞をそれぞれ受賞。昭和音楽大学講師。