くらし情報『新国立劇場《夢遊病の女》で開幕。声の至芸の饗宴』

新国立劇場《夢遊病の女》で開幕。声の至芸の饗宴

撮影:堀田力丸提供:新国立劇場


新国立劇場のオペラ2024/25シーズンは、今月3日にヴィンチェンツォ・ベッリーニの《夢遊病の女》(新制作)で開幕した。最終舞台稽古を取材した。

旋律を自然でなめらかに歌うイタリアの伝統的な歌唱法「ベルカント(bel canto=美しい歌)」を駆使する18世紀末~19世紀前半のイタリア・オペラを「ベルカント・オペラ」という。古今のオペラの中でも「声の芸術」の性格が強い。《夢遊病の女》はその「ベルカント・オペラ」の最高傑作といわれ、人間の歌の魅力を心ゆくまで堪能できる作品。つまり、とにかく「声」そして「歌」だ。

主役二人が圧巻。

アミーナ役を歌うクラウディア・ムスキオ(ソプラノ)はまだ20代のイタリア期待の新星。
ベルカントの華ともいえる高音域のアジリタ(コロラトゥーラ)は絶品で、ベッリーニならではの超絶技巧の装飾的な旋律を次々に、いともたやすく歌いこなすのを聴くと、呆然として笑うしかない。しかも中音域もボディのあるしっかりした声だから、ベルカントやレッジェーロの役に限らず、幅広いレパートリーで活躍するにちがいない。今後も目が離せない新たなスター。

そしてエルヴィーノ役のアントニーノ・シラグーザ(テノール)。

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