文学座が佃典彦の書き下ろし『一銭陶貨』を上演
作・佃典彦、演出・松本祐子のタッグによる、文学座10月公演『一銭陶貨』が10月18日(金)から東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される。
日本中が金属不足にあえいでいた第2次世界大戦末期、窮余の策として「せともの」で作られた「一銭陶貨」。あらゆる職人技を結集させて生まれた「陶貨」だったが、お上にさんざん振り回されるうちに終戦を迎え、結局、世に出ることはなかった。
そこに透けて見えるのは、日本が誇る技術の高みと、それにまつわる人々の揺れる思い。それは時に気高く、時に滑稽で愛おしい。生活の中のユーモアを細やかにすくい上げることに定評のある佃典彦が、この題材をひとつのストーリーへと織りあげた。
時は昭和18年。瀬戸の町に長く暮らす陶芸家の家系にある加藤家の物語。
長男の和雄は陶芸の才能豊かで超エリート。母の愛を一身に受けてきたが、ある日、赤紙が届く。次男の昭二は足が不自由で徴兵不合格の身。陶芸の才能にも乏しく、母に疎ましがられて育った。そんな加藤家に、京都・有田・瀬戸で、金属貨幣に替えて陶器貨幣を製造するという話がもたらされた。昭二は、今までの鬱積のすべてを陶貨作りにぶつけようと心に決める……。
演出を手がけるのは劇団内外で高い評価を受ける松本祐子。佃とのコンビは2007年の『ぬけがら』以来で、同作で佃は岸田國士戯曲賞を、松本は千田是也賞を受賞している。
技術や才能、嫉妬や欲望。「ものづくり」の周辺で人間を葛藤させるあれこれを、ふたりの「芝居づくり」師がどう描くか。
文:小川志津子
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