松浦司がまりゑと繰り広げるシーンは客席を大いに沸かせ、Naokiと松浦景子が共に躍るシーンは鮮やか。遠山晶司〈梅棒〉のタフガイぶりも、多和田任益〈梅棒〉のオラオラぶりも楽しく、“塩野拓矢〈梅棒〉劇場”もある。出演者から引き出せるものを徹底的に引き出し、生き生きと輝かせながら、笑わせたり、驚かせたり、キュンとさせたり、グッとこさせてくれる。ダンスに馴染みのない人にも、演劇に馴染みのない人にもオススメできる世界だ。
上演時間は約1時間50分。『風桶』は12月30 日(木)まで本多劇場にて上演後、1月7日(金)から大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、愛知・名古屋市芸術創造センターを巡演。
【伊藤今人、野田裕貴、渡辺みり愛からのコメント全文】
◎伊藤 今人〈梅棒〉
演劇を志すものにとって「本多劇場」がどういう場所か。我々がこの聖地にふさわしいと考えた作品がこの『風桶』でした。
梅棒は表現集団としては変わり種ですが、それでも大事にしている根幹は演劇であると自負しています。初演時の座組に改めて感謝をしつつ、6年の時を経て新たな座組でグレードアップを施しました。梅棒らしさはそのままに、この作品だからこそ感じられる”演劇”が詰まった自信作です。