2023年12月26日 11:30
『小林正和とその時代』1月6日より開催 日本を代表するファイバーアーティスト小林正和の初回顧展
ファイバーアートとは、従来のテキスタイルの概念を変えるかたちで、繊維のほかにも様々な素材を取り入れ、平面から立体、さらに空間へと展開していった作品群のこと。1960年代以降に欧米を中心に発展したそのファイバーアートの日本におけるパイオニア・小林正和に焦点をあてた展覧会が、2024年1月6日(土)から3月10日(日)まで、京都国立近代美術館で開催される。
京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)で漆工を学んだ小林正和(1944-2004)は、職を得た川島織物で「糸」と出会ったことから、「垂らし」「緩め」「張り」といった手法で糸を集積させる立体作品の発表を始める。欧米のファイバーアートの潮流を牽引していたスイス・ローザンヌの国際タペストリー・ビエンナーレに入選をはたした小林は、数々の国際展で活躍し、日本を代表する作家として国際的にも高く評価された。
同展は、2024年に生誕80年と没後20年を迎える小林の初の回顧展。代表作の《吹けよ風 /Blow in the Wind》シリーズや、大型インスタレーション、未公開のスケッチブックやドローイング、ファブリックデザイン作品などを含む約80点で、その制作の全貌をたどる大規模展だ。