2022年7月28日 11:00
『ミス・サイゴン』でのデビューから『ガイズ&ドールズ』まで 石井一孝、30年のミュージカル人生を振り返る
撮影:川野結李歌
シンガーソングライターを目指していた青年が、何気なく手に取った『ミス・サイゴン』オーディションのチラシ。その一枚の紙切れから、今や日本を代表するミュージカル俳優になった石井一孝が、今年デビュー30周年を迎える。ミュージカルファンは『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』『デスノート THE MUSICAL』など数々の名演がすぐ脳裏に浮かぶだろうし、ミュージカルを観ない人も、ディズニーアニメ『アラジン』(’93年公開版)のアラジンの歌声の人と言えば、「ああ!」と思うに違いない。その石井がデビュー30周年を記念したコンサート「Musical Treasures」を9月に開催する。豪華ゲストとともに贈るこのコンサートの構想とともに、30年のミュージカル人生を振り返ってもらった。
山下達郎さんや小田和正さんのようになりたかった
――まずは現在ご出演中の『ガイズ&ドールズ』の話からお伺いします。石井さんといえばその美しく強靭な歌声がまず思い浮かびますが……なんと『ガイズ&ドールズ』で演じられているブラニガン警部補は、ほぼ歌わない! こういうポジションを求められることについては、どう思っていらっしゃるのでしょうか。