映画『ココでのはなし』吉行和子の温かい演技に心が解きほぐれる本編映像公開
そして彼らを、一番近くで役柄同様に温かく見守っていたのが、日本映画界を牽引してきた吉行和子だ。
高校在学中に劇団民藝付属水品研究所へ入所後、1957年に舞台『アンネの日記』で主役のアンネ役を急遽代役で演じ、初舞台を踏んだ吉行は、以来、日本アカデミー賞優秀主演女優賞、毎日映画コンクール田中絹代賞をはじめ、数々の舞台・映画で賞を受賞し、初舞台から67年にわたり日本映画界・演劇界の第一線で活躍。本作では、SNSにハマりライフハック動画を配信する泉さん役をチャーミングに演じ切っている。
このユニークなキャラクターは、こささ監督の母親がゲーム配信者だったことがきっかけで、その要素が取り込まれた。もともと自身の母親を題材に映画をつくろうとしていたこささ監督は、準備のために山田洋次監督作品、小津安二郎監督作品、さらには『ゴッドファーザー』まで様々な家族を描いた作品を鑑賞。そして、尊敬する山田洋次監督作品にも数多く出演した吉行を迎えられて喜びもひとしおだったという。監督は撮影を振り返り、「本当に凄かった!まだ若手の自分にも真摯に向き合ってくれて感激した」と語っている。一方吉行は、「こささ監督を中心に、若い人たちの仲間に入れて貰えて、とても楽しい撮影現場でした」