若者たちの繊細な心情が絡み合う、恩田陸原作の音楽劇『夜のピクニック』開幕
ふたりの仲を勘ぐる級友たちだったが、貴子が抱えていたのはもっと切実なこと。一方、1年前の「歩く会」に現れた幽霊の噂でにわかに盛り上がる歩行行列。やがて、1年前にアメリカへ発った、貴子の親友・杏奈が仕掛けた「おまじない」が動き出す——。
音楽劇『夜のピクニック』舞台稽古より(撮影:刑部アツシ)
キャスティングも実に個性豊かだ。10年前の「歩く会」を振り返る杏奈を吉川友が、貴子の母親である聡子を剣幸が演じるほか、加藤良輔、安達勇人、北川理恵ら、ミュージカルの舞台で百戦錬磨の若手俳優陣が数多く登板。ピアノとパーカッションの演奏にのせて、若者たちの繊細な心情が絡み合い、高まって夜空に溶ける。公演は10月4日(日)まで、水戸芸術劇場ACM劇場にて。
音楽劇『夜のピクニック』
原作:恩田陸
脚本:高橋知伽江
演出:深作健太
作曲・音楽監督:扇谷研人
10月4日(日)まで
会場:水戸芸術館ACM劇場
文・小川志津子
写真提供:水戸芸術館