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コルンゴルトに思いを馳せて 兵庫芸術文化センター管弦楽団 第167回定期演奏会

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コルンゴルトに思いを馳せて 兵庫芸術文化センター管弦楽団 第167回定期演奏会


2026年2月の兵庫芸術文化センター管弦楽団定期公演にワクワクだ。何しろ出演者の顔ぶれが素晴らしい。国内外で輝かしい活躍を展開する原田慶太楼の指揮に、ユーディ・メニューイン国際コンクールと、エリザベート王妃国際音楽コンクールを制したヴァイオリンの名手レイ・チェンの共演なのだ。それだけでもワクワクするところに持ってきて、予定されるプログラムがまた凄い。20世紀を代表する作曲家、コルンゴルト、武満徹&プロコフィエフの揃い踏みだ。中でも注目はやはりレイ・チェンが登場するコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲だ。

今をときめく映画音楽の大家ジョン・ウィリアムズにも大きな影響を与えたコルンゴルト(1897-1957)は、“20世紀のモーツァルト”と讃えられた天才作曲家だ。10歳で作曲したカンタータ『水の精、黄金』を聴いたマーラーが、「天才だ!」と叫び、マーラーの推薦によってコルンゴルトの指導にあたったツィムリンスキーは、その脅威の才能に接して、「どっちが教える立場なのかわからなくなる」と告白している。
11歳の時に作曲したバレエ=パントマイム『雪だるま』を聴いたR.シュトラウスは、「11歳の子供が手掛けた作品だと知って頭をよぎるのは戦慄と恐怖。まさに驚異的だ」と語っているのだから恐ろしい。1920年に作曲したオペラ『死の都』を大ヒットさせ、23歳にしてオペラ作曲家としての地位を確立したコルンゴルトの運命を変えたのは、2つの世界大戦だった。ユダヤの血を引くコルンゴルトは、ナチスドイツの台頭に身の危険を感じてハリウッドへの移住を決意。モーツァルトにも比肩された才能が、故郷ウィーンを離れて映画の都へと舞い降りたのだ。

ハリウッド映画の世界へと身を投じたコルンゴルトは、ここでも圧倒的な才能を発揮。21本の映画音楽を作曲し、『風雲児アドヴァース(1936年)』と『ロビンフッドの冒険(1938年)』でアカデミー作曲賞を受賞する。しかし、クラシック音楽への思いは絶ち難く、第2次世界大戦の終焉を期に、再びヨーロッパへ戻ることを決意する。
ところが、故郷ウィーンにおいては尖った現代音楽が主流となり、ロマンティックなコルンゴルトのスタイルは“時代遅れ”とされ、失意のうちに人生を終えているのだから悲しすぎる。

そのコルンゴルトが映画音楽の美しいメロディを活かして作曲した「ヴァイオリン協奏曲」の素晴らしさをぜひ体験してほしい。21世紀の今、ヨーロッパではクラシックの作曲家として認められ、アメリカでは映画音楽作曲家として尊敬されるコルンゴルトこそは、近代作曲家のあるべき姿を体現しているのかもしれない。

兵庫芸術文化センター管弦楽団 第167回定期演奏会 原田慶太楼×レイ・チェン ものがたりの音楽


■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2521423(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2521423&afid=P66)

2月20日(金)、21日(土)、22日(日)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

曲目
コルンゴルト:劇的序曲 op.4
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
武満徹:弦楽オーケストラのための3つの映画音楽
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲より(抜粋)

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