「幸福とは何なのか、じんわりと思いを巡らせて」舞台版『パラサイト』台本・演出・鄭義信インタビュー
韓国ノワールの金字塔、映画『パラサイト 半地下の家族』が舞台となって、新宿の新劇場「THEATER MILANO-Za」に登場する。世界中を震撼させた、格差社会が引き起こした衝撃の人間ドラマを再構築するのは、血と汗と涙と笑いが混在する“愛すべき人間臭さ”を舞台に息づかせる名手、鄭義信。舞台設定を日本に置き換え、「私たちの物語」として提示するその狙いとは!?古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のりこ他、豪華キャストとともに話題作に挑む、鄭の思いに迫った。
「ポン・ジュノ監督がどう返事して来るのか、ドキドキしながら待っていました」
――原作映画『パラサイト 半地下の家族』の日本公開は2020年1月でしたが、いつご覧になりましたか?
日本公開よりも前にあった特別試写会で、初めて観ました。ポン・ジュノ監督とは面識があって作品も何作か観ていますが、この作品も、やっぱりな、どんどん切り込んでくるな!という感触でしたね。韓国は日本以上に貧富の差が激しくなっているんだな、ということがヒシヒシと伝わって来る作品だと思いました。
――ブラックユーモアを散りばめた思いも寄らない展開、そうしたエンタテインメント性の高さに評価が集まったところもありますが、作品の核となる社会問題に胸を突かれた、と。