『北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより』国立西洋美術館で3月28日から 希少な“青富士”の展示も!
2024年に東京・上野の国立西洋美術館に寄託された井内コレクションより、葛飾北斎の代表作である『冨嶽三十六景』の全46図を一挙に初披露する展覧会が、3月28日(土)から6月14日(日)まで、同館の企画展示室 B3Fで開催される。
北斎を西洋美術館で鑑賞するのは意外な印象があるかもしれない。だが、北斎は、その斬新な構図と自然や人物を生き生きと捉える卓越した表現力によって、日本国内にとどまらず、西洋美術にも大きなインパクトを与えた画家だ。2017年から18年にかけて同館で開催された『北斎とジャポニスム』展は、北斎の影響が印象派の画家をはじめ欧米各地に広がり、絵画、版画、彫刻、ポスター、装飾工芸などあらゆる分野に及んだことを広く紹介し、36万人を超える来場者を魅了している。
葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「山下白雨」1830–33(天保1–4)年頃横大判錦絵井内コレクション(国立西洋美術館に寄託)
井内コレクションの『冨嶽三十六景』の特徴は、全般に摺られた時期が早いことにある。浮世絵版画は摺りが重ねられると、版木が摩滅・欠損することがあるが、このコレクションの作品は版木が摩滅していない状態で摺られたものが多く、細い線がシャープに保たれている。また、浮世絵版画は補強のためにしばしば背面に裏打ち紙が貼られるが、このコレクションの多くは裏打ちが施されていないため、背面からも絵具の色の鮮やかさが確認できる。同展では、いくつかの作品で表裏両面から見られるように展示の工夫がなされる予定だ。
葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「凱風快晴」(藍摺版、通称“青富士”)》1830–33(天保1–4)年頃横大判錦絵井内コレクション(国立西洋美術館に寄託)
またシリーズの中で特に高い人気を誇る2点については、異なる摺りがもう1点ずつ併せて展示される。「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」については、現存作のなかでは類を見ないほど摺りと保存状態に優れた作例が、また「凱風快晴(がいふうかいせい)」については、極めて稀少な色変わり版、通称“青富士”が登場するのが楽しみなところだ。
なお同展は、企画展示室 B2Fで開催される企画展『チュルリョーニス展内なる星図』と同時開催で、観覧当日に限り、こちらのチケットで企画展と印象派作品を多数含む常設展を鑑賞できる。ちなみに、リトアリアの画家チュルリョーニスにも、ジャポニスムの影響がうかがえるという。
<開催情報>
『北斎冨嶽三十六景井内コレクションより』
会場:国立西洋美術館
会期:2026年3月28日(土)~ 6月14日(日)
※企画展『チュルリョーニス展内なる星図』と同時開催
時間:9:30~17:30(※金・土曜は~20:00)、入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜、5月7日(木)(※ただし、3月30日(月)、5月4日(月・祝)は開館)
料金:一般2,200円、大学生1,300円、高校生1,000円
※観覧当日に限り同展の観覧券で同時開催の企画展『チュルリョーニス展内なる星図』、常設展も鑑賞可能
公式サイト:
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026hokusai.html