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コロナ禍に翻弄され続けた2020年のクラシック界。新たに迎える2021年はどのような展開となるのだろう。
毎年恒例のメモリアル作曲家はといえば、没後100年のサン=サーンス(1835-1921)、没後50年のストラヴィンスキー(1882-1971)、そして生誕100年のピアソラ(1921-1992)あたりに光が当たるが、昨年(ベートーヴェン生誕250年)のような盛り上がりは望みにくい。逆に盛り上がりきれなかったベートーヴェン・イヤーをもう1年引っ張るような雰囲気すらも感じられるあたりが興味深い。
イベントを開催する上に於いての最大の懸念は、先が読みにくいことだろう。クラシック界の公演情報は遅くとも半年ほど、早いものでは1年以上先の公演が告知され、いち早くチケットの発売が始まることが慣習だ。コンサートホールの数も多く、競合の多い首都圏に於いては、他公演よりも少しでも早くチケットを売り始めることが常套手段であったところが、コロナ禍の現在は、コンサート直前まで発売が据え置かれるケースも散見する。特に、春先から初夏にかけて予定されている来日公演の多くが今も様子を見ている段階だ。