くらし情報『作曲家・三枝成彰が80歳のコンサート。辻井伸行によるピアノ協奏曲世界初演に注目!』

2021年12月23日 17:00

作曲家・三枝成彰が80歳のコンサート。辻井伸行によるピアノ協奏曲世界初演に注目!

現代音楽に対する僕のひとつの答えがこれなんです。
僕たち20世紀の作曲家の人生は苦難の道です。音楽評論家は現代音楽しかダメなんですよ。そこで評価されるためには聴衆に喜ばれないものを書かなきゃならない。悲劇ですね。僕はそれに反抗して、美しいメロディの復活ということを始めたんだけど……。うーん、それも違うなとか、いろいろ悩むんですよねえ……。僕の人生はそんな葛藤の連続です」

前衛的な現代音楽を最前線で受け止めた世代だ。
三枝自身、高校生の頃から、入野義朗や柴田南雄ら二十世紀音楽研究所の軽井沢の現代音楽祭に通った。この音楽祭はやがて、米国から帰った一柳慧がジョン・ケージを紹介して、いわゆる「ケージ・ショック」で日本の前衛音楽の幕を開けることになる。

「高校から大学の頃は、前衛こそが作曲家の本業だと思っていましたから。ケージの偶然性の音楽も、発想としてはすごいと思います。人間が書くということを捨てたわけですから。でも、切り口としては新しいけれど、それを毎回やれるわけじゃない。
できることなら100年前のヨーロッパに生まれたかったですね。そうしたら新しいことだけをやっていられた。
1913年の《春の祭典》以降、無調の音楽が出てきて、多くの聴衆はクラシック音楽を見放したんですね。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.