ジョージ・ベンジャミン:オペラ『リトゥン・オン・スキン』 現代オペラの偉大な瞬間に触れるひとときがここに!
(C)Shizuka Hariu
「シンフォニー」という言葉を「交響曲」と翻訳したのは、かの文豪・森鴎外だ。これは意外と知られていないが、森鴎外の素晴らしいセンスが光る名翻訳だと言えそうだ。翻って「現代音楽」という言葉を生み出したのはいったい誰なのだろう?こちらは「前者と違ってどうにも堅苦しいし近寄りがたい」、と感じている方もきっと少なくないのではないだろうか。確かに「現代音楽」と呼ばれる作品には実験的で親しみにくい作品が多いことは事実だ。しかしそれをひとつにくくって「現代音楽」としてしまうことにはやや抵抗がある。最近では「同時代音楽」と呼ばれることも多くなってきた「現代音楽」に改めて目を向けてみようではないか。そこにはきっと、今までに体験したことのない“新たな音楽“が息づいている。
その「現代音楽」の“今”を真正面から体験できるイベントが、サントリーホール「サマーフェスティバル2019」だ(8月23日〜31日/サントリーホール)。
中でも注目すべきは、今年のメインプログラムであるジョージ・ベンジャミンのオペラ『リトゥン・オン・スキン』だろう。古今東西のオペラを知り尽くす大野和士(指揮)