ココラシカ成人式ワンマン「純粋に音楽を好きな気持ちを忘れないように」二十歳の3人が魅せた等身大の瑞々しさと覚悟【オフィシャルレポート】
Photo:きるけ。
2026年1月17日、ココラシカが東京・Shibuya eggman にてワンマンライブ『乾杯〜ココラシカ成人式ワンマンライブ〜』を開催した。
昨年5月にメジャーデビューを果たし、シティポップの系譜を受け継ぐ洗練された音楽性とフレッシュな存在感で着実に支持を広げている彼ら。2度目のワンマンライブのテーマは「成人式」。メンバー3人全員が今年で20歳を迎えるバンドにとっての記念すべきステージだ。そこで彼らが見せてくれたのは、等身大の瑞々しさと、これからを背負う覚悟だった。
開演時間を迎えると、この日のために選んだ洒脱なスーツに身を包んだ、こうき(vo/key)、らな(b)、こた(ds)の3人が登場。
こうき
1曲目は「ダークヒーロー」だ。こうきが「踊れるか、みんな!」と声をかけ、序盤は「手のひらで踊らせて」「本能」など、四つ打ちのダンスナンバーを畳みかけていく。
らなのグルーヴィなベースライン、こたのタイトなドラム、そしてこうきのピアノと歌が響く。シンプルながら一音一音が立つアンサンブルで、フロアの体温を上げていった。
「せっかく成人式というコンセプトなので、過去を振り返る曲をやろうと思います」そう言って続けたのは、高校時代にリリースしたEP『Sign』収録曲のパートだ。しっとりとしたバラードの「三つ葉のクローバー」から、女性目線の歌詞が映えるジャジーな「占い師」へと続ける。
序盤には緊張の色も見えた。しかし「Signpost」の曲中、こたがパワフルな雄叫びを上げたあたりから、演奏のギアが一段上がったように感じられた。メンバー紹介とそれぞれのソロも挟み、3人の前に出る意志が音の輪郭を濃くしていく。
らな
中盤は、人気曲投票企画で1位だったという「花瓶」からスタート。
温かみのあるメロディを丁寧に歌い上げ、しっとりとしたピアノが印象的な「眠る宝石箱」、ウィンターバラード「白い嘘」と、歌を聴かせる楽曲が並ぶ。
そして満員のフロアがグッとひとつになったのが「寂しさを拾って」だ。オーディエンスの手拍子が自然と巻き起こる。シティポップの爽やかなテイストを持つ曲だが、ライブならではの熱量が乗ることで、歌声から真っ直ぐな情熱が伝わってくる。
「一緒に踊ってくれますか?」と声をかけたこうきの言葉を合図に、終盤は「恋よ、踊り出せ」から再びアップテンポなナンバーを披露。曲中、「♪フライデーナイト、フライデーナイト」のフレーズではコール&レスポンスが巻き起こる。会場全体が波打つような、ポップスならではの幸福な高揚感が彼らの真骨頂だ。
こた
ソウルフルな80sポップの「溶けないで」も絶品だった。
ソングライティングを手掛けるこうきがバンドの中心であることは間違いないが、主張の強いこたのドラムと、らなのベースの存在感も負けていない。フレッシュな3ピースバンドでありながら、トライアングルのような強固な信頼関係が音として伝わってくるのが、ココラシカのライブの面白さなのだろう。
本編ラストは「せっかくなんでカバー曲を」と、山下達郎の「いつか」を披露。ギターレスの3ピース編成で再解釈されたアレンジは、原曲へのリスペクトと彼ららしさが共存していた。そのまま続けて「ごめんね」をプレイし、心地よい余韻を残して3人はステージを降りた。
大きな拍手に迎えられ、アンコールに登場した3人。プロデューサーの宅見将典から成人祝いとして贈られたというシャンパンを開け、「乾杯!」と祝杯をあげた。 一息つくと、こうきは成人の節目を迎えた自らの思いを綴った手紙を取り出す。
「純粋に音楽を好きな気持ちや、音楽を好きになった時の衝動を忘れないように、今回、曲として落とし込みました」そう語り、新曲「御守り」を披露した。ゆったりとしたリズムに乗せて、切なくも力強いメロディが響く。この曲は、彼らが何より大切にしている“音楽愛”の結晶なのだろう。そうした真摯な姿勢こそがバンドの魅力の源泉であることを改めて感じる。そしてラストは「最後の花火」。シンガロングでフロアをひとつにし、切なくも温かい余韻を残してライブは幕を閉じた。
少しずつ大人になっていく進化の過程を見せてくれた彼ら。さらに加速していくバンドの未来が楽しみになる一夜だった。
Text:柴 那典Photo:きるけ。
<公演概要>
『乾杯〜ココラシカ成人式ワンマンライブ〜』
1月17日(土) 東京・Shibuya eggman