2023年2月17日 17:00
世界平和は簡単ではないけれど――おじさんふたりの交流を描く『じりりた』主演・渡辺哲×酒井敏也×脚本・演出ニシオカ・ト・ニール鼎談
撮影:源賀津己
“大人の放課後”をイメージし、株式会社明後日がこれからの才能と実験的な試みをする「明後日HR(ホームルーム)」。その第2弾として上演されるのが、ニシオカ・ト・ニールの書き下ろし『じりりた』だ。気になるタイトルの由来は、自分の幸せを指す「じり(自利)」と他人の幸せを指す「りた(利他)」を組み合わせたもので、「じり」と「りた」が一緒になるのが本当の幸せ。本当の平和。――とある施設で相部屋となった、性格も生きざまもまったく異なるおじさんふたり。ひょんなことからたまごを温めることになり……。稽古も中盤に差しかかったある日、演出も手がけるニシオカと、W主演の渡辺哲、酒井敏也に話を訊いた。
寂しいおじさんふたりを繋ぐたまご
――創作の起点になった出来事とは?
ニシオカコロナで延期になってしまいましたが、当初は2020年に上演する予定だったんです。
そのせいか、なにが創作のきっかけだったか……(苦笑)。ただ私が心に傷を負ってしまい、なにか優しい物語を作りたい、と思ったことがひとつあると思います。もともとおじさんがたまごを温める話をやりたいと思っていたことも、それならぴったりじゃないかなと(笑)。