サンダンス映画祭:ダイアナ妃とルシル・ボールのドキュメンタリー
(c)Sundance.org
同じテーマについての映画を別のフィルムメーカーが同時に作っていたと言うのは、よくあること。今年のサンダンス映画祭にも、その例は見られる。このアワードシーズン、『Spencer』でクリステン・スチュワートと『愛すべき夫妻の秘密』のニコール・キッドマンは主演女優部門で大健闘しているが、サンダンスではダイアナ妃についての『The Princess』と、ルシル・ボールとデシ・アーナズ夫妻についての『Lucy and Desi』というふたつのドキュメンタリーが上映されたのだ。
『Spencer』と『愛すべき〜』は、人生全体を追うものではなく、ごく限られた時間に焦点を当てるものだった。『Spencer』は、ある年のクリスマス、『愛すべき〜』は、ある1週間だ。しかしドキュメンタリーのほうは、どちらももっと長い期間を見つめる。
ダイアナ妃の婚約から突然の死までを描く『The Princess』を監督したエド・パーキンスは、「ダイアナ妃についてのドキュメンタリーはこれまでにもあった。だが、その多くは、彼女が内面でどのように苦しんでいたのかにスポットライトを当てるものだったと思う。
僕は、僕ら一般人がこの悲劇においてどのような役割を担ったのかを考えてみたかった。彼女から見た僕らはどうだったのかということだ」と、上映後のヴァーチャル会見で述べた。事実、パーキンスは、ダイアナ妃の婚約、結婚を一般人のファンがいかに喜んで大騒ぎをしたのか、彼女の死がどれほど多くの悲しみをもたらしたのか、またパパラッチがどこまで執拗だったのかをたっぷりと見せている。
『Lucy and Desi』を監督するのは、コメディエンヌのエイミー・ポーラー。ルシル・ボールとデシ・アーナズの娘ルーシー・アーナズは、協力を持ちかけられた時、すでに『愛すべき〜』のほうに関わっていた。だが『愛すべき〜』を製作配給するアマゾン・スタジオに相談すると、「ひとつの映画ですべてを語れるわけではないし、そちらも存在していいのではないか」と言われたという。それでも、彼女自身もだいぶ前に両親についてのドキュメンタリー番組を製作していることもあり、「もう言うべきことは何も残っていないのではないか」と思ったのだが、監督がポーラーと聞いてがぜん興味をもったのだと、彼女は上映後で語った。『愛すべき〜』も夫妻を知る実在の人が登場するなど、ドキュメンタリーの要素を入れていたが、『Lucy and Desi』は、本人たちの肉声をできるだけ出してきたところが違っている。
それらの古い記録素材には、ルーシー・アーナズも存在を知らなかったものが混じっているそうだ。それらの声を通して、この夫妻の人間としての側面、複雑さを観る人に伝えたかったのだとポーラーは語っている。
『Lucy and Desi』も、『愛すべき〜』同様、アマゾンによる配信が決まっている。
文=猿渡由紀
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