世界最大級の自主映画コンペ“PFFアワード”の魅力とは? 映画祭ディレクターが語る
9月12日(土)に東京の国立映画アーカイブで第42回ぴあフィルムフェスティバル(以下、PFF)が開幕する。本映画祭のメインプログラムは、世界最大級の自主映画のコンペティション“PFFアワード”。応募作品の長さやジャンル、応募者の年齢などの制限が一切ない中で集まった17本の作品たちがスクリーンで上映される。
1977年に「第1回ぴあ展〈映像部門〉」の名前でスタートした本映画祭は、長年に渡って自主映画を公募し、本アワードから多くの商業映画監督が誕生している。その審査方法も独特で、1作品につき3人のセレクションメンバーが作品を止めることなく鑑賞して一次審査を実施。その後の二次審査では審査員全員で合議を行う徹底ぶりで、応募する側もセレクションする側も長い時間と熱意を注いで入選作品が決定する。
「PFFの審査は点数をつけて良いものをあげていくようなものではないんです」と荒木啓子PFFディレクターは説明する。「ここにある入選作は私が良いと思って選んだものではなくて、16人のセレクションメンバーが徹底的に観て話し合った結果、“何かがある”と思ったものが残っている。
ですから、仮に私が“何が良いのかまったく理解できない”と思ったとしても、その作品について熱く語る人がいて、結果的に自分はこの作品がまったくわかっていなかったってことがある……その繰り返しなんですよ」