異色の新ユニット「unit 4/4 (ユニット カトルカール)の旗揚げ公演が開催される。伊左治直(作曲)、碇山典子(ピアノ)、太田真紀(ソプラノ)&新美桂子(朗読・訳・作詞)という実に変則的な4人が手掛けるプログラムは、「伊左治直 x F.プーランク」。新作初演を含む伊左治作品とプーランクの作品を携えた彼らが目指すのは、明治以降、貿易港として栄えた二大港町である「神戸と横浜」の街を舞台としたパファーマンスだという。横浜在住の伊左治と新美、そして神戸在住の碇山、神戸で教鞭を取る太田が、それぞれの街を音楽で行き交いながら、作品の本質に迫るパフォーマンスで新たな展開を目指す公演とはいったいどのようなものになるのだろう。
作曲の伊左治は、現代音楽のみならず、ボサノヴァ曲なども手掛ける守備範囲の広さが持ち味だ。歌曲をメインとした今回の企画においても、童謡からフランスの詩人ランボーのテキスト作品までバラエティに富んだ作品を展開。そこに、フランス6人組の一人であるプーランクが加わった際の化学反応やいかに。プーランクもまた、シャンソンから宗教曲までを手掛ける変幻自在の作曲家だけに、歌曲においての言葉の裏側にあるイメージを立体化し、音楽に寄り添うという2人の共通点が生かされそうだ。