ラックライフ『Digital EP「願い」release TOUR 2025「願ったり叶ったり」〈FINAL&17th 生誕祭〉』ライブレポート 心燃やしたツアー最終日、渋公での幸せな夜
Photo:Akira"TERU"Sugihara
ラックライフが、『Digital EP「願い」release TOUR 2025「願ったり叶ったり」〈FINAL&17th 生誕祭〉』を3月15日東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催した。
ラックライフがLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)のステージに立つのは4年ぶり。コロナ禍であえなく中止となった2020年。チケットは完売していたのに、どうにもできない状況が悔しさを滲ませ、それでもなんとか翌年リベンジした場所。結成から17年という年月を走り続けたいまを知るため、もう一度このステージに立つことを願ったラックライフ。2月2日名古屋からツアーはスタートし、国内6カ所と台湾、韓国公演を約一カ月半で巡り、たどり着いたファイナル・LINE CUBE SHIBUYA。春が近づきつつも少し肌寒かったこの日、会場には多くのファンが集まりほぼ満員状態となった。規制もなくなったいま、コロナ禍で中止となったあのときの、本当の意味でのリベンジの日がきたのかもしれない。
「あなたが会いに来てくれたことがすべて」そんな思いを胸に、上下黒の揃いの姿でステージに登場した4人はとても凛としていて、その姿はこの日に賭ける思いで溢れていた。
大きな拍手に迎えられ、長いイントロを響かせ、ステージと客席の心をひとつにする準備を整えたところから一曲目「僕らはそれでも」でライブはスタートした。「渋谷―!」とボーカル・PONが叫ぶと客席は拳を突き上げ、すでにライブハウスさながらの盛り上がりを見せていた。初めのサビで少し声を震わせながら歌っているように聴こえた歌詞。「誰にも言えない気持ちを抱えての僕らは生きるだろう泣きたい時には泣いてもいいと誰かは言うけれどそれでもなんとか込み上げてくる溢れそうな涙を堪えて前向く日々が何よりも美しいのだろう」
今日という日を生きることは簡単なことではないけれど、そうやって乗り越えてきたラックライフの17年が凝縮されているかのような光景。そして、2度目のサビで同じ歌詞を歌うPONの声は、自分とメンバーと、今日集まったファンに向けて、力強く言葉を噛み締めながら歌っているようで、その言葉の一つひとつが心に響いた。
「初めの一歩」で一気にボルテージを上げ、会場は熱気に包まれていき、「幸せになる準備はできていますか?」の問いかけに客席は全身全霊で応え、「サニーデイ」では横揺れのリズムに心を弾ませた。コテコテ関西弁でのMCに脱力させながらも「ラックライフ今日で17歳の誕生日を迎えました。
生きてきてよかったわ」と思いを吐露していく。半分マイクから離れながら「思うことはたくさんあったし、伝えたいこともたくさんあるけど、あなたの心に刺さって抜けない歌を歌いにきました。最後までよろしくお願いします」と思いを伝え、「Naru」、「Believe」へと続き、「俺を信じてくれ」と叫びながら一つひとつ言葉を紡いでいった。ラックライフは「100万枚売りたいのではない。100万人の心に届けたい」をスローガンにしているとHPで見かけたことがあるが、その思いを体現しているライブだと心の底から感じた。
「Hand」の前にはLOVE大石のドラムソロでさらにボルテージを上げていき、サビでは「いい感じの声と手拍子をください」とPONが叫ぶと客席と一体になり、「叶わないのなら叶えたいのなら」をリフレインさせていく。「雨空」、「風が吹く街」とそのままスピードに乗っていき、「あー!おもろいなー!めっちゃ楽しいわ。みんなもめっちゃ面白いんちゃうん?あ、まだチケット代取り返せてない?(笑)」と、PONとギターのikomaが場内を沸かせながら、最後まで尾を引く北斗神拳をベースのたくが炸裂させ、曲は「ROLL」へ。
「君にしかわかんないこと僕に聞かせてよ」とやさしく問いかけ、緩やかな空気が流れたかと思えば、真っ赤な照明に包まれた「リフレイン」では客席全体が拳を突き上げていく。
ラベンダー色の一筋の照明がステージを照らし、ikomaがやさしい音色でギターを揺らし、「あなたがあなたで」へ。「お願いその手を伸ばして忘れないで愛されていること誰かを愛おしく思うこと僕がそばにいること」―――静かにその思いを綴り、続く「軌跡」のサビではPONが客席にめいっぱい手を伸ばしながら歌い、客席は「それがぼくのしるしだ」と、大合唱でその思いに応えていった。
「あなたを思い浮かべながら作った歌をあなたに歌えることが俺らにとっては願ったり叶ったり。あなたにとっても俺らの歌が、あなたにとってのプラスならいいな。生きる力になればいいな」―――生きるや死ぬという大きな主語を用いながら、確かな思いを伝えていき、真剣になり過ぎず、ときにユーモアにその思いを伝えていく。4人も客席も泣き笑いながらこの時間がひとつの形を作っていった。
「めちゃくちゃいい歌できたから、あなたに向けて歌わせてください」と思いを震わせながら披露したのは「願い」。
手を広げながら「今日もここで生きていた」と感情を剥き出しにしながら歌い演奏する4人の姿に吸い込まれるほどの気迫を感じ、ライブは終盤「Lily」、「アイトユウ」、「変わらない空」へと続いていった。「拙い言葉でも君に伝えたいと願う気持ちじゃなにも変わらないから」と、とにかくとことんこちらに向かってきてくれるラックライフの歌詞と演奏に、安心して気持ちを預けられていることを実感していた。
本編最後のMCで、「この17年のどこかでこの音楽になにかを感じてくれて、そして出会ってくれてありがとう。そればっかり考えてる。心燃やしてツアーすることができました。本当にうれしい。それでもやっぱり今日を迎えるにあたって潰れそうになって。あんなにいいツアー回れたからこそ大丈夫かなって、考えちゃったけど、知らないあなたにこんなに「頑張りや!」って思うことってないやんか。
ここだから、音楽だから成り立つんやな。その道を選んだ俺たちはとてもとても幸せな17年でした。そのなかで出会ってくれたあなたに、出会ってよかったって思ってほしいから、何度も何度も思ってほしいから。そこにいてくれてありがとう」と、ギターをかき鳴らしながら語るその言葉がまるで歌っているかのようだった。ラックライフというバンドはとにかく音楽の向こう側にいる「あなた」「わたし」に常に語りかけ続けている。この世界線で繋がっていれば、私たちは幸せだ。一曲歌ったかのような熱いMCに中2のような言葉も織り交ぜながら、「Home」へ。「いつでもここへ帰っておいで」と歌い演奏する4人へ客席もめいっぱい手を伸ばして応え本編は終了した。
アンコールの声がこだまするなか、4人が再び登場し、今回のツアーグッズを紹介しつつ、圧倒的にかわいいはずのグッズが売れてないことに嘆きつつ、楽しく喋り倒したあとにはラックライフとしての活動を少しだけゆっくり進めていくこととその思いをひとりずつ語った。ドラムのLOVE大石が言葉を詰まらせながら話すからおもわず「活動休止?解散?」ぐらいの勢いで聞いてしまったけど、そういうことではなく、あくまでもしっかり曲を作るための期間を設けるのだという。17年という年月のなかでいくつかの節目があったかと思うが、彼らにとってまた次の章に向かうためのひとつの節目が今日だったのだろう。次なる新しい扉を開くための節目だ。「名前を呼ぶよ」、「ファンファーレ」で会場全体がさらにひとつになり、記念すべきツアーファイナルと17周年の誕生祭は終了した。
最後はたくの北斗神拳が見事な雄叫びで連呼されるなかで会場全体と記念撮影。「こんなバンドですけど末長くよろしくお願いします。いつか武道館でやりたいので、なんとかふんばって、みんな元気に生きてくれ!ありがとうございました!」と、次への前向きな言葉を残し、4人は深々とおじぎをしてステージをあとにした。
17歳の誕生祭でありながら初めてラックライフのライブを観た筆者が、またすぐに彼らのライブを観たいと思うほどに、「あなた」に届けたいという気持ちがまっすぐ伝わる素晴らしいライブだった。次のライブがすでに楽しみでたまらない。
Photo:Akira"TERU"Sugihara
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<公演情報>
ラックライフ
Digital EP『願い』release TOUR 2025『願ったり叶ったり』〈FINAL&17th 生誕祭〉
3月15日(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA