大槻ケンヂ×燃え殻対談『今のことしか書かないで』は燃え殻調でいこうと思ったんだよ
っていう言葉が好きだったんですよ。中二病の頃に読んじゃったもんだから、起こらなかったことを書くのがかっこいいんだ、と思っちゃって。
燃え殻でもそれで、「あ、それでいいんだ」って思ったのがひとつと、あと大槻さんに、「起きたことをもっと劇的に書いたり、あるいはもっと悲しく書いたりするのが、小説やエッセイの希望じゃないか」と言われて。その「希望」って言葉がガーンときて。「おまえ嘘つきじゃねえか」って言われても、「いえ、希望を書いてるんです」って言おう、と思って。それからずっとその言葉が残っていて、大槻さんの今回の本の帯文にも使いました。
大槻ありがとうございます。
燃え殻その新宿紀伊國屋のトークイベントは、お客さんを入れての対談だったじゃないですか。
そんな場でしゃべるの初めてだし、僕、怖くて。そしたら大槻さんに「大丈夫だよ、いいことも悪いことも、そのうち全部終わるから。売れてる本も、そのうち売れなくなるから」って言われて(笑)。「そうかあ、この祭りは終わるのか」と思ったら、すごい気が軽くなって。それで、まるで近所でしゃべってるみたいに、大槻さんと話せたんです。
──大槻さんは、一面識もない相手とのトークイベントを、なぜ引き受けたんですか?
大槻対談の話が来て、本を読んだの。