そういう印象の違いは衣装からも感じるところであり、田代アルヴィンの衣裳は初演同様、どこか天使を思わせるものであるのに対し、太田アルヴィンの衣裳は人間らしいものだった。だからこそ、ペアによって残るシーンや台詞が全く違う。演出にもそれぞれに細かな違いがあり、特にラストシーンでの違いは、それぞれのペアの関係性が顕著に出ているように感じて印象的であった。

太田基裕
太田が前述のインタビューで「余白が美しい作品」と述べていたが、2ペアが演じることでその余白がさらに広がったように感じる。大切な人たちと会う機会の多い12月にぴったりなこの作品を、ぜひ堪能してほしい。
上演時間は休憩なしの110分。出演者の4人が並ぶことはないが、開演前のアナウンスは4人揃って話しているので、そちらもぜひお聞き逃しなく!
取材・文:中川實穗撮影:田中亜紀
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