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『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」

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『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」


『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の初日舞台挨拶が3月27日に実施。製作総指揮・原作・脚本の西野亮廣をはじめ、永瀬ゆずな、MEGUMI、小芝風花、吉原光夫、カジサック(キングコング 梶原雄太)、廣田裕介監督といったスタッフ・キャスト一同がTOHOシネマズ 日比谷に集結した。

本作は、2020年に国内動員196万人のヒットを記録し、日本アカデミー賞ほか海外30以上の映画祭を魅了したオリジナルアニメーション『映画 えんとつ町のプペル』の最新作。前作の公開はコロナ禍の真っ只中で、ソーシャルディスタンスが徹底され、劇場の客席も1席空けの“市松模様”での販売を余儀なくされていた。それから5年半の時を経て、この日の上映は“完全満席”となり、会場には割れんばかりの拍手が巻き起こった。西野は公開初日を迎えるにあたって全国行脚でのPR活動を行い、売り上げた前売券は13万枚超えを記録。“お客様と一緒に映画を見たい”と自らチケットを取り、初日の上映を見届けた直後に舞台挨拶に臨んだ。

『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」

西野亮廣
本作でルビッチ役を担った永瀬は、オーディションで製作陣から満場一致で選ばれた。
大人の声優ではなく子どもを起用した背景について、西野はニューヨークで行った『えんとつ町のプペル』ミュージカルの投資家向けプレゼン公演が転機だったと振り返る。「それまでは大人の方にルビッチを演じてもらっていましたが、そのときのルビッチ役が12歳くらいの男の子だったんです。観客のみんながルビッチのことを応援し、背もたれから体がだんだん前のめりになって“頑張れ!頑張れ!”と。きっと子どもの不安定さとかそういうのも相まってだと思うんですけど、子どもがその時代にしか持ってない求心力・魔法みたいなものってあるよなと思っていたところ、プロデューサーたちからも“オーディションしませんか、子どもで”と声が上がりまして、イチかバチか子役のオーディションに踏み切った」と回想した。そして永瀬の声を聞いた瞬間の感触を「“ルビッチいた!”という感じでした。“ルビッチの声ってこういう声じゃなかろうか”と想像していた声がそのまま出てきてると思うんですよね」と感慨深げに振り返った。

当の永瀬は、劇中の“泣き”のシーンについて「ルビッチが(小芝演じる)ナギさんにお話をしにいくシーンでは私も台本を読んだりアフレコをしていて泣いちゃっていて。自分でもルビッチみたいに悲しくて、ルビッチがアフレコしているみたいで。
すごく楽しかったんですけど悲しかったです」と、役と自身が深くシンクロしていたことを明かした。

『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」

永瀬ゆずな
廣田監督は、西野のクリエイティブ面のこだわりとして台詞回しにおける“ライブ感”を挙げ、「特にライブ感を大切にされているなと思ってて。キャラクター同士のやり取りの部分で、作られたセリフではなくて、その場で即興的に生まれた言葉の選び方をすごく大切にされているなと」と分析。実際のアフレコ現場では台本からセリフを変えることもあったという。西野も「アフレコの現場で、アドリブというか、その場で作る。決められた台本ではなくて、なんならそこで作ったセリフに合わせて絵を変えることもありました」とコメントし、吉原演じるガスとナギが出会うシーンでは、「もうちょっとセリフがあったけれど“ない方がいいね”となったシーンがあった」とカットになったエピソードがあったことも明かした。

こうしたライブ感重視のアドリブの応酬で本領を発揮したのが、モフ役のMEGUMIだ。西野が「ツッコミみたいなところは声を当ててみないと分からない。
カメラを引いて口が映ってないアクションシーンはMEGUMIちゃんに丸投げした」と明かすと、MEGUMIは「ヒドイもんでしたよ。でも先生がおっしゃるから……」とボヤき、会場の笑いを誘った。“パタパタ”飛行船で森の中に入っていくシーンは完全なアドリブだといい、カジサックも「あのシーン大好き!天才ですからね!あれアドリブですよ、すごくない!?」と太鼓判を押した。一方ルビッチが螺旋状に上がっていくシーンでは永瀬もアドリブに挑戦し、「盛り上がっちゃって、マイクから完全に背を向けて自分も螺旋状に動いちゃった」と可愛らしい失敗エピソードを披露した。

『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」

MEGUMI

20年前のふたりの会話がセリフに。劇中ラストシーンは“キングコングの真実”


こうした和やかな製作秘話の一方で、本作の根底に流れる“待つ”というテーマには、西野と梶原がかつて直面した壮絶な実体験が反映されている。デビュー直後からエリートと目されながらも、過酷なプレッシャーから梶原が失踪し、心身のバランスを崩した21歳の頃。コンビ存続の岐路に立たされた西野は、吉本興業から「ひとりで活動するか」という非情な選択を迫られた。「梶原さんは会話もままならない状態で、無期限活動休止が発表された。
でも、僕はふたりで漫才をしたり、喋ったりする時間が何より楽しかった。もし僕がひとりで成功してしまったら、彼の帰る場所が永遠に失われてしまう。だから“待ちます”と答えたんです。人生で最も勇気を振り絞った瞬間でした」と、苦渋の決断を下した当時を述懐した。

『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」


「脚本を書き直す際、個人的な原体験をコアに据えようと決めた。ここは外せなかった」と西野が明かすとおり、劇中のラストシーンには当時のふたりの姿が刻まれている。ナギがガスのもとへ階段を駆け上がる場面、そして交わされる「間に合うかな」「大丈夫、間に合う」という切実な言葉。それらは全て、梶原が西野の部屋を訪れた際と同じだという。


そんな西野の想いが詰まった本作を実際に見たカジサックは、「何回泣いたか分からないくらい泣いちゃいまして」と告白。「照れちゃいますけど、最後のシーンとか声出るくらい泣いてしまった。当時、かれこれ20年以上前の話ですけども、あの頃の景色……西野が待っている、その景色は僕しか見てない。それを思い出させてくれたというか。今自分がカジサックとして頑張れているのもあの一瞬があったおかげだったりとか、いろんな思いが襲ってきてめちゃくちゃ泣きました」と相方への感謝を口にした。

『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」

カジサック
『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」


ふたりの関係性を間近で見てきたMEGUMIは、「好きな監督や尊敬する監督たちは“作品は個人的であればあるほどいい”と常に教えてくださいます。私はキングコングのふたりとデビュー当時からのお付き合いで、同じクラスメイトみたいな感覚がある。だからこそ、ふたりの本当の物語を見ていた身として、それがこういう形になったんだと。
西野くんのアイデンティティと生き方が、梶原さんとの話が詰まっているのは、そばで見ていた身としてはめちゃくちゃエモーショナルで、そういう意味で泣けましたし、こんなにたくさんの方に見ていただけて、この一連がエモすぎて、今日は特別な日だと思ってます」とコメントした。そのキングコングの実体験が色濃く投影されたラストシーンについて、アフレコ直前にこの話を聞いていたという小芝は、「大切な役を任せていただいたんだなと思って。台本を読んで泣いてしまったんですけど、映像で、待っていたガスの表情を見ただけで自然に涙があふれてきて。あのシーンは何回か撮ったんですけど、毎回本当の涙が出る」と撮影時の没入ぶりを回想し、会場からも共感の声が上がった。

『映画 えんとつ町のプペル』最新作がついに公開! 西野亮廣「“待つ”ということは非常に重要な挑戦」

小芝風花
この日は現在撮影のためカナダにいるプペル役の窪田正孝からビデオメッセージも届いた。「今回再びプペルを演じることができて、新しいキャラクターの皆様に会えて、見ていてとても勇気をもらえた。2020年に前作を収録していた当時の風景を色々と思い出しました」とコメント。窪田のメッセージを受けた西野は「前作はコロナ禍だったので、完成した後も打ち上げすらできなくて、廣田監督やスタッフの皆さんと“終わったね”と乾杯もできなかった。
エアーで“お疲れ様でした”とやって終わりだったんです」と当時を振り返り、「彼がプペルというキャラクターを作ってくれたのは間違いない。すっとんきょうな声で出てくるじゃないですか。真っ白でピュアで、だけど情けなくて愛くるしくてというプペルのキャラクターは彼が作ってくれたので、本当に感謝しています」と謝意を表した。

舞台挨拶の締めくくりに西野は、本作の核心テーマである“待つ”ことについて、自身の会社経営や子育て論と重ね合わせて言及。「僕はチムニータウンという会社をやっているんですけども、1年目、2年目のスタッフは、鈍臭い子は鈍臭いんです。それに対して口を挟みたくなることもあるんです。コケる前に。でもそれを言ってしまうと自分で考えることをやめてしまうから、それをグッと我慢するんですよ。多分子育てもそうですかね。子どもに対して口を挟みたくなることはあるけれど、そこはグッと堪えて、子どもがちょっと失敗することも立ち会ってあげないと、子どもの成長はない。やっぱり教育とか子育ての過程で“待つ”というのは非常に重要な挑戦なんだなと思います」と指導者としての実感を込めて持論を述べた。

続けて、「劇中でもルビッチが言ってましたが、“待つ”ということは何もしないということじゃなくて、相手のことを信じ抜くということなんだと。実際僕が2、3カ月梶原さんを待っているときは、“梶原さんのことを信じ抜くぞ”という気持ちでいました。今待っている方、待たせてしまっている方、あるいは相手のことを信じ抜くことが難しくなりかけている方、信じ抜きたいなと思っている方に届けばうれしいです」とコメントし、イベントは幕を閉じた。

<作品情報>
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』

公開中

公式サイト:
https://poupelle.com/

(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~」製作委員会

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