2021年8月27日 12:00
「私の人生で経験したことが描かれています」M・N・シャマラン監督が語る最新作『オールド』
ドリー(撮影用の移動車)の上でカメラをどの角度で動かせばいいのか? ズームをどのように使うのが効果的なのか? 1970年代風のカメラの動きをするにはなにが必要なのか? そんなことを考えたりしました。あとは“カメラがキャラクターたちの動きと関係なく動く”なんてことも考えたりしましたね。あるふたりが会話している場面があるとして、通常だとそれぞれのキャラクターを映すわけですが、まるで時間が流れていくようにカメラ自身の動きが存在したとしたら……そんなことも考えました」
シャマラン監督が振り返る通り、本作ではこれまでのシャマラン作品以上に計算された構図のショットや、観客を意図的に惑わせるカメラの動きが多く登場する。さらに監督はロケで撮影することにこだわったようだ。
「作品に自分で資金を投じるようになったのは『ヴィジット』からだと思うのですが、資金を出すことで、自身の決断を下すことができるようになったと思います。今回の作品で私はロケーション撮影を選択しました。それは余計に予算のかかることですし、パンデミックが起こっている状況ですから、いつも以上に予算がかかることはわかっていましたが、自分でプロデューサーも務めていたことでロケが実現したわけです。