2021年8月27日 12:00
「私の人生で経験したことが描かれています」M・N・シャマラン監督が語る最新作『オールド』
今回の映画ですと、ビーチに岩があって、その岩が人間の細胞をとても早いスピードで成長させる。このような設定を加えると観客に理解してもらうのが難しくなるのはわかっているのですが、これこそが私の映画の特徴だと思っています」
美しくも奇妙なビーチを訪れた人々はすごい速度で成長していく。愛らしかった幼児はあっと言う間に成人になり、若い父親の顔には深いシワが刻まれる。まるで人生を“早送り”しているような現象が発生するが、この設定はシャマラン監督が日々の生活をおくる中で思いついたものだという。
「私の人生で経験したことがこの映画の中で描かれています。たとえばですが、子どもたちの成長は本当に早くて、あっと言う間に大人になってしまうんです。私の子どもたちはすでに成人して、娘のひとりは今回の映画のセカンドユニットのディレクターをしています。その一方で、自分の親はどんどん老いて弱っていく。
私の親も年老いて、歩いたり、食事するのを手伝わなければならない状況にあります。まるで赤ん坊の世話をしているようなことを自分の親に対してやっている状況なんです。ですから、“老いること=オールド”がいつも私の頭の中にあって、世の中にはいつも同じものはないんだな、家族でさえもどんどん変わっていくものなんだと感じるようになりました」