堂本光一がカリスマ性あふれるウィリー・ウォンカに ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』上演中
1幕ではキャンディマンとして雪の降る街に登場。2幕で工場に案内する場面では、わがままな子供には容赦のない仕打ちをするブラックな面もあり、シニカルなユーモアの匙加減に堂本らしさが光る。冒頭の『キャンディー・マン』から伸びやかな歌声を聴かせ、軽やかなダンスで観客を魅了。
心優しい家族思いの男の子、チャーリーと心を通わせていく場面では、帝劇が温かな空気に包まれていた。『SHOCK』ではフライングが名物だが、「この舞台、私は飛びません」というセリフも。しかし最後には『SHOCK』とはまったく違うスタイルで夜空を浮遊し、美しくエモーショナルな時間を届けてくれた。『キンキー・ブーツ』などでお馴染みの森雪之丞による訳詞は耳にも心にもナチュラルに届き、とりわけ名曲「ピュア・イマジネーション」は純粋な想像力が夢を叶えてくれるという、このミュージカルのメッセージを伝えている。
日本版翻訳・演出は東京2020パラリンピック開会式やさまざまな演劇、ミュージカルを手掛けてきたウォーリー木下。舞台装置のみならず、モニターや映像を巧みに使って物語をテンポよく運び、紗幕の使い方も鮮やかだ。紗幕に映し出されたシルエットとダンスをする場面や、想像力豊かなチャーリーの絵が浮かび上がる場面がとりわけ心に残る。