ロングラン記録更新中、『シカゴ』の魅力とは?
ブロードウェイ史上、『オペラ座の怪人』に次ぐ2番目のロングラン記録を更新中のミュージカル『シカゴ』リバイバル版。今年は生みの親である鬼才ボブ・フォッシーと、その3番目の妻で本作の初演版オリジナルキャストでもあるグウェン・ヴァードンを主人公とするドラマ『Fosse/Verdon』が放映されたこともあり、米国内での注目がさらに高まっている。そんなタイミングで、米倉涼子が7月1日から2週間、自身3度目となるブロードウェイ公演登板を果たした。演じたロキシーは、彼女自身が舞台を観て惚れ込んでつかみ取り、10年以上にわたって日米で(日本語と英語で)演じ続けている当たり役だ。
本日8月7日に東急シアターオーブで開幕するのは、そんな米倉の“凱旋公演”であり、また女優生活20周年記念公演でもある。もうひとりの主人公であるヴェルマ役を務めるのは、米倉が登板したブロードウェイ公演のすべてでコンビを組んできた盟友で、同役を日本語で演じたこともあるアムラ=フェイ・ライト。ほかの役はブロードウェイではなくツアーキャストとなるが、悪徳弁護士ビリー役のピーター・ロッキアーは、『レ・ミゼラブル』ロンドン公演で主人公バルジャン役を務めたこともある実力派だ。
押しも押されもぬ人気女優である米倉涼子が主演するミュージカル、という圧倒的なトピックスの影に隠れてしまいがちだが、当然のことながら作品の面白さは折り紙付き。
ふたりの殺人犯がその罪を利用してスターにのし上がろうとするという、奇想天外に見えて実は実話に基づいているシニカルなストーリー。ビッグバンドが奏でる心地良い音楽、舞台中央に陣取るそのバンド以外にはセットというセットがないシンプルな演出、そしてフォッシー振付によるセクシーでスタイリッシュなダンス。ミュージカルの本場ブロードウェイで20年以上にわたって人気を博し続けている理由を、その目で確かめてほしい。
文:町田麻子
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