くらし情報『【観劇レポート】駿府城公園で上演 SPAC『天守物語』』

2023年5月4日 12:30

【観劇レポート】駿府城公園で上演 SPAC『天守物語』

【観劇レポート】駿府城公園で上演 SPAC『天守物語』

(c)猪熊康夫
端午の節句に合わせた「こいのぼり」をイメージした衣裳も煌びやかだった。音楽の棚川寛子はペーソスの中に愛着が湧くメロディーを奏で、そこに出演者によるアタック感の強いオリエンタルな打楽器のリズムが重なると、えも言われぬダイナミズムが生まれ、現代のダンスミュージックのように観客の魂を躍動させる。現代的でありながら極めて原初的なグルーヴのある音の群れ。そんな音を野外で浴びると、今で言う「音楽フェス」にいるような感覚で誰しもの体が思わず踊り出す。観客席を囲うものがないので、音の抜けの良さだけでなく、俳優全ての息遣い、さらには会場に生きている生物の息吹まで漏らすことなく味わうことで、「いま、ここ」にいることの愉悦を味わえる至極の観劇体験を約束してくれる。あらゆる生命が平等になる奇跡。まさにハレの日に行われる祭事に相応しい我々の五感を昂らせる素晴らしい舞台だった。

「ふじのくに野外芸術フェスタ2023」としての本公演は、5月3日(水・祝) から6日(土) まで駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場にて上演。
その後、5月27日(土) から28日(日) まで浜松城公園 中央芝生広場 特設会場にて上演される。

取材・文=竹下力
撮影=猪熊康夫、平尾正志

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