【おとな向け映画ガイド】女優たちの圧巻の演技、凛とした富司純子『椿の庭』、熱情を秘めたケイト・ウィンスレット『アンモナイトの目覚め』、今週はこの2本をおすすめ。
イラストレーション:高松啓二
【おとな向け映画ガイド】
女優たちの圧巻の演技、凛とした富司純子『椿の庭』、熱情を秘めたケイト・ウィンスレット『アンモナイトの目覚め』、今週はこの2本をおすすめ。
ぴあ編集部 坂口英明
21/4/4(日)
https://bit.ly/3sDJkAu
植草信和さん(編集者・元キネマ旬報編集長)
「……3世代の女性のそれぞれの屈託が、家と庭の映像を通してほのかに浮きあがってくる。……」
https://bit.ly/3mck8Pc
首都圏は、4/9(金)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、4/17(土)から名演小劇場で公開。関西は、4/23(金)からテアトル梅田他で公開。
不遇な女性古生物学者の秘めた恋
『アンモナイトの目覚め』
1840年代、女性の社会進出がまだ認められていなかったビクトリア朝のイギリス。独学で古生物を研究し、大英博物館に残るほどの化石を発見したものの、不遇な生活を送る古生物学者メアリーに訪れた転機、それはある女性との出会いでした…。
メアリーは実在した人物です。死後に認められ、王立協会が「科学の歴史に最も影響を与えた英国女性10人」に選んだのは2010年。
同時代の人が彼女について書いた書物はほとんどないそうです。そんなメアリーを主人公にして描くのにあたり、同性と関係を持っていたかもしれない、と想像をめぐらせたのは『ゴッズ・オウン・カントリー』のフランシス・リー。21世紀ゲイ映画の旗手、とよばれる監督です。
監督が主演に起用したのはイギリスの名女優ケイト・ウィンスレット。ウディ・アレンの前作『女と男の観覧車』とはだいぶイメージが異なりますが、最初はうつうつとし、やがて内に秘めた熱情を爆発させる女性像を見事に演じています。彼女の心を開かせるシャーロット役には、今年で27歳、すでにアカデミー賞4度のノミネート、1度の受賞という演技派、シアーシャ・ローナン。超豪華な組み合わせです。
【ぴあ水先案内から】
春日太一さん(映画史・時代劇研究家)
「……二人の女性が徐々に距離を縮めていく様が、壊れそうなまでに繊細なタッチで綴られる。
……」
https://bit.ly/2PhdiMp
波多野健さん(プロデューサー)
「……この映画で一番感銘を受けたのは“音”だった。……ものすごく迫ってきて、ストーリーを一層奥深いものに見せてくれた。こんな経験は初めてだった。」
https://bit.ly/3u5w48a
植草信和さん(編集者・元キネマ旬報編集長)
「……地の果てを彷徨するふたりの女性の魂と肉体が結ばれて昇華する描写が、素晴らしい。性愛描写の極致。……」
https://bit.ly/3sJHDS3