特別寄稿 演劇人の心意気、ここにありー公演延期のお知らせにこめられた熱い思い 大島幸久
文:大島幸久(ぴあ水先案内人・演劇ジャーナリスト)
「緊急事態宣言」の延長発令を受けて、演劇界も新たな計画変更を余儀なくされている。4月から5月にかけて予定していた公演が中止、あるいは延期という主催者にとっては泣いても泣き足らない姿を想像すると胸が痛む。しかし——。今月に入ってパタリと止まっていた情報が届き始めた。とりあえず、「水先案内人」としては延期を知らせる情報を「番外編」でおしらせしよう。
公演中止となった前進座5月国立劇場公演チラシ。2021年5月の上演を目指す
劇団前進座の会報「月刊・前進座」によれば5月9日開幕予定だった5月国立劇場公演『操り三番叟』『俊寛』『たが屋の金太』は来年5月、劇団創立90周年記念として上演する心づもりという。また、『ひとごろし』や全国巡演の『東海道四谷怪談』、秋の『残り物』などは年内開催を模索中だ。
劇団四季『コーラスライン』より撮影:下坂敦俊
次は劇団四季。全国公演予定だった『コーラスライン』は中止したが、来年5月以降の全国公演を目指す。
既に発表された5、6、7月の連続3ヶ月、歌舞伎座での「十三代市川團十郎襲名披露公演」の延期は、来年同5~7月に上演されるのが有力だ。