TRICERATOPS、活動休止前最後のライブツアー開幕「デビューして27年、今でもこうした景色が見られてとても幸せ」
Text:長谷川誠Photo:山本倫子
愛と感謝の思いがたっぷり詰まった空間が広がっていた。楽しくて熱くて温かくて、でも時折、懐かしくて切ない、感情がめまぐるしく揺れ動く時間となった。待ち遠しかったツアー、でも終わってほしくないツアー、『TRICERATOPS 無期活動休止TOUR ’24-’25“DEMOLITION&ELEVATION”』の初日公演、11月19日の川崎CLUB CITTA’。
ステージの背後に掲げられた「TRICERATOPS」のロゴがいつもよりも存在感を持って視界に飛び込んでくる。今回のツアー、タイトルの中に“DEMOLITION & ELEVATION”という言葉がある。この言葉を日本語に直訳すると、“破壊と向上”といったところだろうか。新しい何かを創造するためには、それまでにあった何かを壊さなければならない場合もあるだろう。バンドは永遠に走り続けることはできない。
どこかで立ち止まる瞬間も必要であるに違いない。“無期活動休止”という言葉からも分かるように、今回のツアーは大きな節目となるものだ。果たしてどんなステージになるのか。開演直前の会場内には、期待感と緊張感とが入り交じった空気が漂っていた。