新国立劇場バレエ2024/2025シーズンは『眠れる森の美女』で開幕。初演から10年の熟成の舞台に注目
新国立劇場が3年ぶりに古典の大作『眠れる森の美女』を上演する。2024/2025シーズンの幕開けに相応しいゴージャスで見どころにあふれた舞台は、古典バレエの魅力、楽しさをあらためて体感させてくれるものになるはず。
シャルル・ペローの童話に基づき、マリウス・プティパが振付けた『眠れる森の美女』。1890年にサンクトペテルブルクで初演、『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』とともにチャイコフスキー三大バレエのひとつに数えられる古典バレエの傑作だ。絶対王政へのオマージュがこめられた絢爛豪華な空間で展開されるのは、おなじみのおとぎ話。ヒロインは、悪の精カラボスの呪いで長い眠りにつくオーロラ姫。彼女を守る善の精リラの導きで森の奥へとやってきたデジレ王子の彼の口づけで、オーロラ姫は百年の眠りから目覚め──。そんな主要人物の活躍だけでなく、祝いの場にやってくる妖精たちや童話のキャラクター、華やかな群舞などが次々と登場、チャイコフスキーのキャッチーで美しい音楽と次から次へと繰り広げられる多彩な踊りに、いったいどれほど多くの観客がワクワクさせられてきただろう。
新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』より(撮影:鹿摩隆司)