月城かなと、謎めいた大富豪を余裕たっぷりに 宝塚月組『グレート・ギャツビー』東京公演開幕
宝塚月組のミュージカル『グレート・ギャツビー-F・スコット・フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”より-』東京公演が、9月10日、東京宝塚劇場で開幕する。
この作品は、20世紀のアメリカ文学を代表する傑作で、何度も映画化もされているフィッツジェラルドの原作小説を、1991年、小池修一郎の脚本・演出により、宝塚が世界で初めてミュージカル化。『華麗なるギャツビー』のタイトルで、ショーと2本立ての形で初演された。2008年には、1本物のミュージカル『グレート・ギャツビー』として、日生劇場で再演されている。宝塚では3度目の上演となる今回は、大劇場公演の1本物作品として、さらにバージョンアップが施され、2022年版『グレート・ギャツビー』として上演される。
主人公のジェイ・ギャツビーを演じるのは、月組トップスターの月城かなと。愛する女性デイジーとの仲を、身分違いを理由に引き裂かれた彼は、彼女が属する上流階級にのし上がるため、裏社会で手を汚し、5年後、ついに莫大な財をなして、今は人妻となっているデイジーの前に再び現れる。
演技力に定評のある月城は、端正な顔立ちに優雅な物腰で、謎めいた大富豪を余裕たっぷりに演じているが、時折見せる眼光の鋭さに、どんな手を使っても失った愛を取り戻そうという、意志の強さと覚悟が感じられ、印象的。
同時に、デイジーを見つめる優しいまなざしからは、一途な愛、純粋さも伝わってくる。また、劇中で3度歌う名曲「朝日の昇る前に」(吉崎憲治作曲)では、ギャツビーの心情の変化を巧みに表現した。今回は、デイジーと歌う新曲「入り江がひとつだけ」(小澤時史作曲)も追加されている。
ギャツビーが永遠の愛を捧げるデイジーを演じるトップ娘役の海乃美月も、結婚し、生まれた女の子を“きれいなおばかさん”に育てたいと言う台詞に、華やかな生活の裏にある孤独、苦悩を垣間見せ、好演だ。
出演はほかに、デイジーの夫トム・ブキャナンに鳳月杏、彼女のまたいとこでギャツビーの隣人ニックに風間柚乃、デイジーの親友のプロゴルファー、ジョーダンに彩みちる、トムの愛人マートルに天紫珠李、ギャツビーの父親に専科の英真なおきら。
初日前日の通し舞台稽古には、初演時の雪組トップコンビ、杜けあきと鮎ゆうきも駆けつけ、コロナ禍に負けず熱演した後輩たちにエールを送った。なお、10月9日の千秋楽には、全国各地の映画館でライブ中継が、タカラヅカ・オン・デマンドではライブ配信が行われる。またライブ配信は、9月22日の新人公演(彩海せら主演)でも実施される予定だ。
文=原田順子
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