『あんのこと』で話題の入江悠監督が登壇! 第37回東京国際映画祭 日本外国特派員協会 記者会見レポート
主演の河合優実さんも、モデルになった方を同情の対象にしたくない、撮影中に彼女と手をつないでいる様な気がするとおっしゃっていて、彼女の人生を追体験していたと思います。河合さんを通して僕たちは彼女の気持ちを知ることが出来たのではないかなと考えています。
――同じシェルターに住んでいた方から、子どもを預かるというシーンがあると思うのですが、それも実際にあった事件なのでしょうか?
入江監督あそこのシーンはフィクションなんです。虐待は世代を超えて連鎖するという研究があるのですが、あんはその連鎖を断ち切るということが出来るのではないかという希望を入れたかったのです。
――ヤングケアラーなど、世界中でも問題になっていますが、本作は海外での上映も念頭に撮られたのでしょうか?
入江監督外国のオーディエンスを考えていたわけでないのですが、カメラマンの方がシンガポール在住の方で、その方と撮影中に日本固有の問題なのか、普遍的な問題なのかなども話し合ったりしていましたので、意識した部分もあったのかもしれないです。
――撮影中にご自身が感じられていたこと、観客に感じてほしいことはどういったことなのでしょうか?
入江監督自分が彼女に近づきたかったというのがあるので、観客にどう感じてほしいという意識はあまりありませんでした。