演劇集団 円、「林業」の機微と深みを伝える『光射ス森』開幕
演劇集団 円が林業のあり方にスポットを当てた、新作公演『光射ス森』が12月19日(土)に開幕する。1975年から良質な演劇作品を上演し続けてきた老舗集団「演劇集団 円」。渡辺謙や津田寛治ら演技派俳優を多く輩出してきた同集団は、さまざまなテーマや形態で、上演活動をひたむきに重ねている。今回、作・演出を担うのは内藤裕子。漫画家、噺家、政治家、藍染め職人など、少々特殊な職業の現場を舞台にした、人間味溢れる物語作りに定評がある。
そんな内藤が今回採り上げるのは「林業」。木を植えた者の何代も先、子や孫の世代がようやく伐採までたどり着く、壮大なスケールの産業である。親族だけでなく、山を慈しむ者たちによって受け継がれていくこの営みの、来し方行く末を丁寧に描き出す本作。
内藤は「利便性や、経済が優先される今、その森が見捨てられ、荒廃している。そこに踏みとどまり、あるいは飛び込んで、豊かな森を残そうと、懸命に生きる人々の物語を創りたい」とコメントしている。
公演は27日(日)まで、東京・両国シアターXにて。
文:小川志津子
(チラシより)
日本の国土、3分の2を覆う森林。その4割が人口林と言われている。