ガス・ヴァン・サント監督のアメリカンニューシネマへの憧れが伝わる『デッドマンズ・ワイヤー』
イラストレーション:高松啓二
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 高松啓二のおススメ】
1977年インディアナポリス。男がローン会社の役員を自作の“デッドマンズ・ワイヤー”と言われるしかけを使った銃で脅し、立て籠る。犯人のトニー・キリシスは、ラジオ局に電話し、なぜこんなことをしたのか訴えた。
実際に起こった事件の映画化だが、本作が目指したのは70年代アメリカンニューシネマの再現である。オープニングに流れるデオダートの「ツァラトゥストラはかく語りき」は『チャンス』、ラストのB・J・トーマスの「雨にぬれても」は『明日に向って撃て!』などニューシネマにまつわる曲が使用されている。効果音楽もなんとなくクインシー・ジョーンズっぽい。犯罪場面にしても箱から出す銃や緊迫感の中にユーモアが漂うのはあきらかに『狼たちの午後』を思わせ、主演だったアル・パチーノまで登場する。
また、DJとのやりとりは『バニシング・ポイント』だ。劇中、TVに映るジョン・ウェインの授賞式の映像は旧ハリウッド映画衰退の象徴か?
監督のガス・ヴァン・サントのニューシネマへの憧れが伝わる。この時代に作品をつくりたかったのかも?
<作品情報>
『デッドマンズ・ワイヤー』
公開中
公式サイト:
https://kadokawa.co.jp/deadmanswire
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