映画『勇敢な市民』舞台となる学校の闇に迫る冒頭10分を特別公開
は、生活のためにキンパを売り歩く祖母を人質に脅迫されているせいで一度も反抗できず、あらゆる暴力を耐えるしかなかった。時には生徒のみならず、教師にも自分の支配下にいる事を知らしめるために、放送室から平手打ちの音を校内に響かせる。自分がいつ標的になってもおかしくない毎日に怯える生徒たち、スガンの両親の権力で自らのクビが飛ぶことを恐れ、スガンの悪行を見て見ぬふりをするしかない教師たちの姿が映し出される。
そんなムヨン高校に光をもたらす人物が現れる。採用3カ月目の非正規教師のソ・シミン(シン・ヘソン)だ。非正規教師ということもあり教師たちから雑用を頼まれるものの、にこやかに引き受ける。可愛らしく愛嬌のあるシミンは男性職員からも人気者、スタイルの良いシミンの身体を舐め回すように見る教頭先生にも嫌な顔を見せることなく耐える。全ては正規雇用を勝ち取るため。

だが、可愛らしい姿とは打って変わって、自らに降りかかる不条理なことに怒りを抑えきれずトイレに引きこもり、激しく貧乏ゆすりをしながら幼なじみに怒涛のメッセージを送る。既読スルーされさらに怒りがMAXに。元ボクシング王者だったが現在は他に就く職がなく後がないシミンは、正規雇用を勝ち取るためには、どんなことでも我慢し猫を被って愛想良くするように自らを落ち着かせる。