人食いザメも登場! 韓流ピリ辛アクションがクセになる『密輸 1970』
イラストレーション:高松啓二
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 高松啓二のおススメ】
1970年代半ば、韓国の小さな漁村で働く地元の海女たちは、公害で不漁が続いていた。そこで海底から密輸品を引き上げる闇の仕事を引き受けるが……。
海女のリーダーのジンスクと親友のチュンジャ、冷酷で怖いイケメンの密輸ギャングのクォン軍曹、いきおいだけのチンピラのドリ、狡猾な税関の鬼係長ジャンチュンと四つどもえの海洋クライムアクションになっている。オープニングは牧歌的だが、どんどん海女たちが深みにハマっていく。
ハリウッド映画のようなスマートさは無いが、ドタバタ感が親近感を生み、独特の風合を生んでいる。女優たちの体を張った水中アクションに人食いザメまで登場し、韓国映画定番のアクロバティックアクションもあり飽きさせない。韓国の懐メロらしき歌謡曲が流れるが、わからなくても時代感を感じる。
これだけ詰め込んで一気に突っ走るリュ・スンワン監督の演出力が冴える。コリアン海女さんたちのピリ辛アクションは、クセになりそう。
<作品情報>
『密輸 1970』
7月12日(金)