視界が広がる感覚を『セールスマンの死』長塚圭史×山内圭哉インタビュー
撮影:源賀津己
今週末1月8日(金)より、KAAT神奈川県芸術劇場にて『セールスマンの死』が上演される。アメリカ現代演劇の金字塔とも呼ばれるアーサー・ミラー作のこの作品。2018年、風間杜夫を主役に迎えて上演され大きな話題を呼んだ。2年ぶりの再演にあたり、演出の長塚圭史と、主人公ウィリー・ローマンの長男・ビフ役の山内圭哉のふたりに話を聞いた。
初演でビフとハッピーのキャスティングがハマったことが大きな自信に
長塚と、初演に引き続きビフを演じる山内は何度も作品をともにしている仲。彼らが中心メンバーを務める演劇ユニット「新ロイヤル大衆舎」は2020年6月、コロナ禍の中でいち早く観客を入れて『緊急事態軽演劇八夜』を上演し話題を呼んだ。しかし、これだけ深い信頼関係を築いている間柄でも、最初に長塚から『セールスマンの死』の話を聞いたとき、山内は戸惑ったという。
「関西小劇場のちいさな劇団出身の僕が、こんな海外の名作と向き合う日が来るとは思ってもいませんでした。圭史から『ビフをやってほしい』と言われたときには『え、大丈夫?』って。でも『絶対大丈夫だから』と言われて、圭史ができるというならできるんや、と飛び込みました。