三菱一号館美術館がいよいよ11月23日に再開館 ロートレックとソフィ・カルの競演で新たなる幕を開ける
2010年4月の開館以降、40本の企画展を開催してきた東京・丸の内の三菱一号館美術館。2023年4月から設備メンテナンスのために休館していた同館が、コレクションを代表するトゥールーズ=ロートレックの作品群と、現代フランスを代表するアーティストのソフィ・カルの作品を紹介する再開館記念展を、11月23日(土)から2025年1月26日(日)まで開催する。
主に19世紀後半から20世紀前半の近代美術をテーマに企画展を開催してきた同館だが、美術館とは、時代の変化に応じて常にその活動を見直す必要があるとの考えから、現代美術家との協働にも取り組んでいる。今年、高松宮殿下記念世界文化賞の受賞が話題となったカルの招聘は、実は2020年の開館10周年記念展のために予定されていたという。だが、世界的な感染症の蔓延により、プロジェクトは延期。今回は、そのカルを招いての待望の展覧会となる。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《エルドラド、アリスティド・ブリュアン》、1892年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵
展覧会名にある「不在」は、カルが提案したテーマだ。1953年にパリで生まれたカルは、自身と家族や恋人、あるいは他者との関わりを、写真や映像とテキストを組み合わせて作品化してきた。