2021年6月16日 07:00
山田裕貴&眞栄田郷敦を突き動かす役者の情熱「魂が動くものをやっていきたい」
撮影:奥田耕平
モデルとなった本人と会うことで掴めた役へのヒント
人生は、誰もが主人公だ。けれど、全員がスポットライトの当たる表舞台に立てるわけではない。人知れず歯を食いしばり、汗を流す。そんな見えない人々の努力が、世の中を支えている。
だからだろう。『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』が、こんなにも心を揺さぶるのは。1998年、長野オリンピック。日本中が沸いたスキージャンプ団体悲願の金メダル。
その裏側に隠された25人のテストジャンパーの物語だ。
その中で、山田裕貴は、聴覚障害のあるテストジャンパー・高橋竜二を演じた。同役は、実在の人物。生まれつき耳が聴こえないという障害がありながら、高橋はスキージャンプに挑み続け、名だたる大会でオリンピック代表選手らを抑えて優勝した経験もある選手だ。
「HBCカップという大会を見に行かせてもらう機会があって。そのときに、お願いしてご本人と直接お話をさせてもらいました。やっぱりご本人の想いが知りたかったので」(山田)
高橋は手話ではなく、口話を用いてコミュニケーションをとる。演じる山田にも、音のない世界で生きる人に見える表現技術が求められた。