木版口絵に描かれた明治美女に魅了される 『鏑木清方と鰭崎英朋』展が開催
浮世絵専門の美術館である太田記念美術館では、『鏑木清方と鰭崎英朋近代文学を彩る口絵 —朝日智雄コレクション』が、2月15日に開幕。3月22日(日)まで開催されている。
明治から昭和にかけて美人画家として活躍した鏑木清方(かぶらききよかた)。清方は日本画だけでなく、文芸雑誌や小説の単行本の口絵も多く手がけた。その時、清方と人気の双璧をなしていたのが、鰭崎英朋(ひれざきえいほう)だ。同展では、そんな清方と英朋が明治の美しい女性たちを描いた木版口絵の名品を紹介する。
木版による口絵は、明治20年代後半から大正初期にかけて、文芸雑誌や小説の単行本の巻頭に付されたもの。物語の世界を華やかに彩る木版口絵は、江戸時代から続く浮世絵版画の系譜に連なるだけでなく、 江戸の技術をはるかに上回る精緻な彫りや摺りが施された。
そんな口絵の美しさにスポットを当てた同展。会場では、木版口絵のコレクターである朝日智雄氏の所蔵品の中から厳選された約110点が並ぶ。
清方による菊池幽芳著『百合子』の挿絵や、英朋による泉鏡花著『続風流線』の口絵をはじめ、小説の世界観を表した情緒あふれる口絵の数々はどれも見入ってしまうはず。