2022年7月29日 12:00
「発明したものを、実用化したい」上田誠が語る『あんなに優しかったゴーレム』再演
――ずっと再演したかったのはこの作品だけなのですか?
いや、ものは言いようなんですけど(笑)、どれも再演したいんですよ、本当に。時間が許せば全部再演したいし、全部つくりなおしたい。だけど新作もつくりたいからなっていう。その中でも、いま僕らがやるのにふさわしい作品かと思います。
ヨーロッパ企画第41回公演『あんなに優しかったゴーレム』メインビジュアル
――ということは、「再演」とはいえ「そのままやりたい」ということではないのですよね?
そうですね。「新作」「再演」と言っても、例えば『九十九龍城』は新作ですが、半分は『Windows5000』(’06年)で培ったものを踏襲しながらやりました。逆に『あんなに優しかったゴーレム』は再演ですが、キャストはふたり増やして、リメイクをするような気持ちでつくります。僕にとっては両者の間にそんなに違いはないんです。
劇団としてもそれなりに年月を重ねて、「今までつくってきたものをうまく使って、次に活かしていく」ということをだんだん意識しだしたってことですね。
――経験を重ねてきたからこそのものに、ということですね。
僕がヨーロッパ企画の作品を「企画性コメディ」