注目チェリスト上村文乃がシリーズ企画「A of Cello」始動
“始まり”のAだ。ラフマニノフのスペシャリストでもあるピアニスト松本和将が共演する。
「ラフマニノフがチェロのために書いた音というのが、ものすごくか弱いというか、せつないんです。彼の中に、チェロでしか表現できない音があったのだと私は信じています。人間のさまざまな面を表現できると思っています」
どの曲もメイン・ディッシュになり得るような重量級の作品が並ぶ。上村によれば、実際に、それぞれをメインに据えたいくつかのプログラムも考えてみたが、この組み合わせ、この順番を考えついた時、金庫のダイヤルキーが開くように、自分の中で「カチッ」と合ったような感覚があったのだという。
「でも、弾くのはものすごく大変です(笑)。恐ろしいです。
曲目をお見せしたら、堤剛先生も『すごいプログラムですねえ!』とおっしゃっていました(笑)。どの曲がメインなのかは、みなさんの中で決めていただけたらうれしいなと思っています。数学の“定数a”みたいに、ぜひ自由に、みなさんそれぞれの『A』を見つけてください」
新たな一歩を踏み出す気鋭のチェリスト。その旅立ち(ドイツ語ならAで始まる“Abfahrt”)を見逃せない。
取材・文:宮本明
上村文乃 チェロ・リサイタル
A OF CELLOVol.1
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2454797(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2454797&afid=P66)
2025年1月25日(土) 14:00開演
王子ホール (東京都)