ある事情を抱えた4人家族の物語。好評を得たミュージカル『next to normal』日本独自演出版の再演が明日開幕
2009年にブロードウェイで初演され、日本ではレプリカ版やダイジェスト版を経て、2022年に上田一豪(『この世界の片隅に』『四月は君の嘘』)演出版として新たに上演された『next to normal(ネクスト・トゥ・ノーマル)』。ピューリッツァー賞にも輝いた、ブライアン・ヨーキー(『イフ/ゼン』『ザ・ラストシップ』)による骨太なストーリーとトム・キット(『イフ/ゼン』『ハイ・フィデリティ』『フライング・オーバー・サンセット』)によるエネルギッシュな音楽はそのままに、上田が現代の日本の観客に寄り添って丁寧に演出した舞台は深い感動をもたらした。明日12月6日(金)、東京・シアタークリエにてその再演の幕が開く。
直訳すると「普通の隣」という意味を持つ本作が描くのは、一見“普通”のようで、ある事情を抱えた4人家族の物語。母ダイアナ(望海風斗)は双極性障害を患い、息子ゲイブ(甲斐翔真)に過剰なまでの愛情を注いでいる。娘ナタリー(小向なる)は母から愛されていないと思い込み、その悩みを同じ高校に通うヘンリー(吉高志音)には打ち明けていた。父ダン(渡辺大輔)は、妻を献身的に支えながらも疲れ切っている。