くらし情報『注目の劇作家・野木萌葱が初の新国立劇場で描いた『骨と十字架』とは』

注目の劇作家・野木萌葱が初の新国立劇場で描いた『骨と十字架』とは

「新国立劇場演劇『骨と十字架』」


新国立劇場の2018/2019演劇シーズン、そのラストを飾る舞台『骨と十字架』(作=野木萌葱、演出=小川絵梨子)が7月11日(木)、小劇場にて開幕する。芸術監督である小川の依頼で、野木が初めて新国立劇場に書き下ろした、男優5人(神農直隆、小林隆、伊達暁、佐藤祐基、近藤芳正)による会話劇だ。主宰する劇団パラドックス定数のほか、外部への戯曲提供でも注目される野木の劇作の持ち味は、緊張と興奮をあおる小気味の良い言葉の応酬。実在の事件や人物を題材に、言葉によって増幅する臨場感が、独創性あふれるフィクションを骨太に立ち上げる。そんな流麗な会話を生み出すご当人は、実に慎重に、穏やかに、言葉少なに自作を見つめる慎ましい人だ。

「最初に依頼のメールをいただいた時は、宛先を間違えていらっしゃるのでは!? 私でいいのか、できるのか!?とプレッシャーを感じましたね。小川さんからはとくに細かい要望などはなく、ただ『“ディストピア”を題材にして、お願いします』という言葉をいただきました」

劇作の糸口は、主に図書館で見つかることが多いそうだ。今回の物語の中心人物、カトリック司祭であり古生物学者であるピエール・テイヤール・ド・シャルダンも、図書館で手にした一冊が初めての出会いだった。

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