刀剣、甲冑から洒脱な刀装具まで、根津美術館が誇る「光村コレクション」を公開 『英姿颯爽 ―根津美術館の武器・武具―』2月14日から
日本と東洋の古美術の中でも、とりわけ質の高い洗練された武器・武具コレクションを誇る東京・南青山の根津美術館で、その1,100件を超える収蔵品の中から選りすぐった作品群を紹介する展覧会が、2月14日(土)から3月29日(日)まで開催される。
同館のコレクションの中で、武器と武具は少し特殊な存在だという。実はコレクションの礎を築いた初代の根津嘉一郎は「刀はわからない」と公言し、好んで蒐集していなかったのだそうだ。だが、明治末期の1909年、実業家・光村利藻(みつむら としも)が蒐集した3,000点に及ぶ優れた武器・武具コレクションが海外に流出することを危惧した根津は、その一括購入を決めたのだった。
重要美術品《太刀銘 来国俊》日本・鎌倉時代13世紀根津美術館蔵
1877年に大阪で生まれた光村は、美術印刷業で名をはせた実業家だ。20歳の頃からわずか10 年ほどで、生まれ育った関西圏を中心に、全国の刀匠、装剣金工の作品を体系的に蒐集し、刀剣と刀装具を主とした3,000点にのぼるコレクションを形成するとともに、刀剣文化のパトロンとして多くの名工の育成にも貢献した。根津がコレクションを購入したのはまた、同じコレクターとして光村を高く評価していたゆえでもあった。現在では、点数的には当初から半減したが、同館の武器・武具は今もほぼ「光村コレクション」によって形成されており、光村の体系的な蒐集の特性と往時の内容をよく伝えるものとなっている。
加納夏雄作《牡丹蝶図鐔》日本・江戸~明治時代19世紀根津美術館蔵
今回の展覧会は、近年作品の調査が進んだことを受け、その研究成果を紹介しつつ、選りすぐりの作品を展観するもの。研究によって明らかになったのは、収蔵数で最もボリュームのある刀装具については武士から富裕層まで注文主の広がりが見られ、また「町彫り」と呼ばれる自由で洒脱なモチーフの作例が豊富に含まれていることだという。そうした洗練された刀装具を身につけた姿は、さぞかし「英姿颯爽(えいしさっそう)」=「スタイリッシュで格好いい」ものだったろうということから、展覧会名がつけられている。
重要文化財《黒韋肩取威腹巻》日本・室町時代16世紀根津美術館蔵
同展では、刀装具は美麗な拵(こしらえ)も含めた約70件、刀剣は重要美術品の古刀や充実した新刀なども合わせた約20口、さらに甲冑や蒔絵の鞍(くら)といった馬具もそろえ、総数約90件に及ぶ名品が並ぶ。幅広く、かつ質の高い作品群をじっくり堪能できる機会となっている。
<開催情報>
企画展『英姿颯爽 -根津美術館の武器・武具-』
会期:2026年2月14日(土)~3月29日(日)
会場:根津美術館
休館日:月曜、2月24日(火)※ただし2月23日(月・祝)は開館
時間:10:00~17:00(※入館は閉館の30分前まで)
料金:オンライン日時指定予約一般1300円、学生1000円
公式サイト:
https://www.nezu-muse.or.jp/