2022年3月29日 18:00
シリーズ第1作の彩色画全点を日本初公開 『出版120周年 ピーターラビット(TM)展』世田谷美術館で開幕
第1章「ピーターラビット誕生以前」では、作者ビアトリクス・ポターが「ピーターラビット」の誕生以前に挿絵画家として描いていた作品の原画や習作などを紹介していく。
左:《ウサギの頭部習作》1890年、右:《ウサギの頭部習作》1890年頃いずれもモデルはベンジャミン・バウンサー
左:《横たわるウサギの習作》1890年頃右:《庭の野ウサギ》1892年
1892年、ベンジャミンが死んでしまうと、その寂しさを埋めるために再び雄ウサギを購入する。ウサギの名前はピーター・パイパー。ビアトリクスはピーターをモデルにウサギのスケッチや水彩を再び描くようになる。第2章「ピーターラビットのおはなし」では、シリーズ誕生のきっかけとなった、ビアトリクスが元家庭教師の息子ノエル宛に描いた絵手紙を展示。病気で療養中のノエルへのお見舞いとして送られたこの絵手紙には、ピーターら4匹の子ウサギの物語が17点の線描画と文章で8ページにわたって展開している。この絵手紙の原本が公開されるのは、日本では初めてのことだ。
手前:《ノエル・ムーア宛ての絵手紙》1893年9月4日付
1900年、この絵手紙を絵本として出版することをすすめられたビアトリクスは出版社に売り込むが、なかなかうまくいかず、まずは自費で出版しようと1901年に私家版を出版。