BACK-ON、20年の“青春”を鳴らした夜 Veats Shibuyaを包んだ大合唱と誇り
Photo:若菜
Photo:若菜Text:松木美歩
BACK-ONが、5月2日に東京・Veats Shibuyaにて『ANIMANIA Chapter2 -B/O Songs VS Anime Cover Songs-』を開催した。大阪、名古屋を経て迎えたツアーファイナルとなる東京公演。アニメ、ゲーム、特撮と数々の作品を彩ってきたBACK-ONの歴史を辿るようなセットリストに、会場は終始大熱狂。彼らが20年にわたり鳴らし続けてきた“青春”を、オーディエンス全員で共有する一夜となった。
壮大な『スター・ウォーズ』のメインテーマが流れるなか、フロアには期待と高揚感が渦巻いていく。そしてメンバーがステージへ姿を現した瞬間、Veats Shibuyaは大歓声と拍手に包まれた。1曲目を飾ったのは、TVアニメ『ガンダムビルドファイターズ』オープニングテーマ「ニブンノイチ」。イントロが鳴った瞬間、待ちわびていた観客の感情が一気に爆発。
ハンドクラップが鳴り響き、TEEDAが「最高の夜にしようぜ!」と叫ぶと、フロアからはさっそく大合唱が巻き起こった。<「ひとりじゃない」って思えた瞬間から叶えられそうな気がしたんだ/変わらないいつもの笑顔のままで/キミは僕の手を掴んで歩き出すよ>――。まっすぐで青く、仲間の存在を肯定するような歌詞。疾走感あふれるサウンド。BACK-ONが20年かけて鳴らし続けてきた“青春”が、この瞬間にすべて詰まっていた。
続く「Traumatic」では、KENJI03が「声出せるか!」とフロアを煽ると、観客は拳を突き上げながらステージへ詰め寄り、左右に大きく揺れる無数の腕がライブハウスの熱狂を可視化していく。攻撃的なギターリフとラップ、完璧なコール&レスポンス。BACK-ONとオーディエンスが互いの熱量をぶつけ合いながら、ライブは序盤から一気に加速していった。
続く「ヒカリサスホウ」では、高速メロディにも関わらずフロア全体が完璧にシンクロ。細かく刻まれるリズムに合わせてハンドクラップが鳴り響き、観客たちは身体全体で楽曲へ飛び込んでいく。
さらに『ガンダムブレイブレイカー』オープニングテーマとして長く愛され続ける「INFINITY」へ。「おい東京! ぶちかまそうぜ!」という叫びを合図に、シンガロングが巻き起こり、会場全体が巨大なアンセム空間へ変わっていく光景は圧巻だった。わずか4曲。それだけでBACK-ONのライブが“観る”ものではなく、“参加する”ものであることを強烈に提示してみせた。
MCでは、KENJI03が「大阪、名古屋とどんどん加速していって、ついに東京です。ちょっとおとなしいですね。
大阪、名古屋にまだ負けてますよ」と挑発気味に語りかける。さらに、「みんなでこの時間を作ってほしいから全力で歌ってほしい。嫌な人もいるかもしれないけど、これがライブです。最高の一日にしましょう」と続けると、観客はさらに大きな歓声で応えた。その言葉どおり、この日のライブはステージだけで完成するものではなかった。オーディエンス一人ひとりの声や拳、ハンドクラップ、そのすべてがBACK-ONのライブを形作っていた。
『ONE PIECE』主題歌として今なお高い人気を誇る「HANDS UP!」では、突き抜けるようなメロディと疾走感あふれるサウンドがフロアを包み込む。観客は拳を掲げながらシンガロングを響かせ、Veats Shibuyaはまるで“青春の真ん中”へと戻ったかのような空気に包まれた。
BACK-ONの楽曲は、単なるアニメ主題歌ではない。アニメを観ていた時間、その時代の記憶、その頃抱えていた感情ごと呼び起こす力を持っている。この日のフロアには、“作品と共に生きてきた人たち”の熱量が確かに存在していた。
続く「flyaway」では、<君がそばにいるから>というフレーズが会場いっぱいに広がる。エモーショナルなメロディに乗せて起こるシンガロングは、観客同士が互いを肯定し合うような温かさを生み出し、「BLAZE LINE」で再び熱量を加速させると、「もうちょいいけるんじゃない? 東京。いつもの“せいほー”でもやる?」という煽りから「PRIDE」へ突入。攻撃的なサウンドとラップがフロアの感情を一気に解放し、観客は左右に大きく身体を揺らしながら声を張り上げる。“戦闘モード”とも言える熱狂が広がっていった。
「Chair」で空気を切り替えたあと、「懐かしい曲やりたいと思います。15年ぶりぐらい」と紹介された「Re:Start」では、この日ならではの特別な空気が流れる。イントロが鳴った瞬間、客席から歓喜の声が上がり、自然と大合唱が生まれていく。TEEDAが短く「ありがとな」と伝える場面も印象的で、長い活動のなかで積み重ねてきた時間、それを共有してきたファンとの関係性、そのすべてが、「Re:Start」という楽曲に凝縮されていたように感じられた。
レインボーの照明が揺れるなか披露された「THE SKY’S THE LIMIT」では、会場全体がエモーショナルな空気に包まれる。高速で駆け抜けるだけではない、“感情を届けるロックバンド”としてのBACK-ONの魅力が深く伝わってきた。
そして、この日のハイライトとなったのが「wimp」。イントロが鳴った瞬間、この日最大級の歓声がVeats Shibuyaを包み込む。
<もう一度あの空へ!>の大合唱、鳴り止まないハンドクラップ。ステージとフロアの境界線は完全に消え、ライブハウス全体がひとつの巨大なシンガロング空間へと変貌し、KENJI03も「酸欠しかけた」「最高!」と笑顔を見せる。その表情からも、この夜がBACK-ONにとって特別な時間であることを感じる瞬間だ。
さらにKENJI03は、「2006年に『Chain』で初めてアニメのタイアップをさせていただいて20年、いろんな国にも行かせていただきました。みなさんに感謝です」とこれまでの歩みを振り返り、「アニメや特撮の曲をやらせてもらってますが、俺たちがやりたい音楽は目標があって、広い世界で聴いてほしいし、BACK-ONを好きになってくれたみんなが誇りに思えるようなバンドになっていこうと思っています」と語る。アニメタイアップで知られる存在でありながら、その先にある“世界”をずっと見続けてきたこと。日本だけでなく海外へも活動を広げ、多くのリスナーと繋がってきたこと。そして何より、ファンにとって“誇れる存在”でありたいという真摯な想い。
その覚悟が、この日のライブ全体から強く伝わってきたように思う。
その言葉を受けるように、『FAIRY TAIL』オープニングテーマ「STRIKE BACK」ではフロアが再び爆発的熱狂に包まれる。「with you」では観客が肩を揺らしながらメロディに身を委ね、「flower」では優しく広がるサウンドに静かに聴き入る。“寄り添うロック”としてのBACK-ONの魅力が深く刻まれる時間となった。 終盤、「CHEMY×STORY」で<Gotcha Gotcha>の大コールが発生。本編ラスト「Chain」では、20年間積み重ねてきたBACK-ONの歴史、そのすべてをぶつけるようなパフォーマンスが繰り広げられ、本編は終了。
熱量そのままに迎えたアンコールでKENJI03は、「GWでいろんな場所でイベントがやってるのにBACK-ONを選んでくれてありがとう。東京ドームでは井上尚弥が試合やってますけど、俺も闘ってる気持ちでライブやってます」と語り、まさにその言葉どおり、BACK-ONもまた、この場所で“闘って”いたことを証明してみせた。
「GO!!!」で再び会場のテンションを爆発させると、FLOWとのコラボによる映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』主題歌「THE FUTURE DAYBREAK」へ。未来へ突き進むような高揚感とエモーショナルなメッセージがフロアを包み込み、アンコール終盤にも関わらず、この日一番とも言える熱量のシンガロングが巻き起こった。そしてラストの「セルリアン」まで、一切熱量を落とすことなく駆け抜けたBACK-ON。 この日のVeats Shibuyaには、彼らの誇りと歩み、そのすべてが確かに響いていた。
ライブ終了後、オーディエンス同士が抱き合いながらこの日のステージの素晴らしさを分かち合う姿も見られた。BACK-ONとオーディエンスが共に鳴らした“青春”は、この夜、確かに新たな1ページを刻んでいた。
<公演概要>
ANIMANIA Chapter2 -B/O Songs VS Anime Cover Songs-』
5月2日 東京・Veats Shibuya