長尾謙杜が大人になった瞬間「昔の僕ならオファーは来ていなかったと思う」

(撮影/梁瀬玉実)
「お願いします」優しげな雰囲気で、この日取材現場に入ってきた長尾謙杜。彼のイメージを言葉で表現するのなら、柔らかな雰囲気の形容詞を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。そんな長尾のイメージを一変させた映画『室町無頼』が1月17日(金)に公開される(IMAXにて先行公開中)。間違いなく、長尾本人の役者としてのキャリアに風穴を開けた本作。演じた本人は、今自身の変化についてどのように捉えているのだろうか。話を聞いた。
ヒーロー・才蔵は「嬉しくもあり、難しくもありました」
垣根涼介の時代小説を大泉洋主演で実写映画化した時代劇アクション『室町無頼』。同作は、日本の歴史において初めて武士階級として一揆を起こした室町時代の人物・蓮田兵衛(大泉洋)の知られざる戦いをドラマチックに描いた作品だ。
そんな本作で長尾が演じたのは、並外れた武術の才能を秘めながらも天涯孤独で夢も希望もない日々を過ごしていた青年・才蔵。兵衛に見出され、鍛えられ、成長を遂げていくといった役どころなのだが、なんといっても殺陣のシーンが圧巻だった。
今まで、長尾が演じた役を振り返ってみると、少し頼りなく、内省的な役が多い印象。